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まちの主役は人! 学びが人を育てコミュニティを生む気仙沼。

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東北のことを知るきっかけをつくり、東北ファンを増やすための取り組み「Fw:東北 Fan Meeting」(フォワード東北ファンミーティング)では、東北への移住をテーマとしたオンラインイベント「東北暮らし発見塾」を開催しています。2022年度、第一回開催となる7月19日の「気仙沼校」は「“人を中心としたまち”気仙沼に暮らす」というテーマで行われました。

市民と関係人口を大事にしたまちづくり。

「Fw:東北 Fan Meeting」は、2017年度に始まった復興庁主催の取り組みです。これまでに延べ100以上のワークショップを開催しており、2021・2022年度はオンラインで実施しています。今回の「東北暮らし発見塾(気仙沼校)」は、宮城県気仙沼市からオンライン中継で行われ、24名が参加しました。
気仙沼0

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本イベントのメイン中継会場となった、『気仙沼市移住・定住支援センターMINATO』の外観。 photo by Kohei Shikama
気仙沼1

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写真右から、ファシリテーターを務めた『エイチタス』代表の原亮さん、菅原茂・気仙沼市長、「ソトコト」編集長の指出一正。
まずはインプット・トークとして、菅原茂・気仙沼市長が気仙沼市の魅力や取り組みを紹介。森・海・空・水の循環を特徴とする気仙沼市では、「人から始まる地方創生」を掲げ、市民が主役のまちづくりを進めています。「人口約6万人の気仙沼から地方創生のロールモデルを示すべく、まちづくりを主導するリーダーを育てるため、多様なセクターが協力してまちの課題に挑戦する学びの場を設けたり、さまざまな人材育成プログラムを行ったりしています」と菅原市長。まちづくりの最も基本となる計画である総合計画を市民起点でつくるなど、「市民が主役のまちづくり」を実行しています。

移住・定住促進の取り組みとしては、『気仙沼市移住・定住支援センターMINATO』の設置をはじめ、移住へのステップとなるお試し移住プログラムを実施したり、関係人口増に向けワーケーションを推進したりしています。

気仙沼2

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豊かな海と山の恩恵を受けてきた気仙沼市。地域の自然環境や伝統文化を守り育むまちの活動が評価され、2013年に日本で初めて「スローシティ」に認定された。
菅原市長の話を受けて、「ソトコト」編集長の指出一正は次のようにコメント。「ぼくと気仙沼とのつながりは、唐桑半島に移住した『ペンターン女子』を2015年に『ソトコト』で取材したのがきっかけです。ペンターンは、半島を意味する『Peninsula(ペニンシュラ)』と『turn(ターン)』の略で、『半島移住』を意味する造語。ペンターン女子のみなさんと話をして、地域との関わりに重きを置く世代が現れたのだと実感しました。『関係人口』という言葉は、ペンターン女子のみなさんと気仙沼のみなさんによって、より具体化されていったと思います」。

それに対して菅原市長は、「まさに関係人口がこのまちに増えてきたという実感があります。観光目的ではなく、人に会うために何度も気仙沼に来てくれる人が多いですね」と話しました。

指出はまた、「市長のお話で『まち(まるごと)大学構想』の紹介がありましたが、気仙沼はまち全体が学びの場になっているんですね。“学ぶ”という人間が誇りを持てる行動をまちが守っているところに、気仙沼の寛容性を感じました。若い人はそこに惹かれているのではないでしょうか」と考察。

菅原市長は、「まちの寛容性については、地元出身者としてはなかなか実感できないところですが、気仙沼は日本中の船を受け入れてきた港町であるということが関係していると思います。さらに、東日本大震災後の復興支援活動で多くの人が気仙沼に来てくれたので、より『人を受け入れる』まちになりました。今では、多くの人に来てもらって初めて気仙沼の将来を描くことができます」とコメントしました。

気仙沼3

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市内で開かれた、子育て中の方や子育て支援に関わる方、子育て支援に関心のある方などが、日ごろ思っていること、感じていることなどを気軽に話したり情報交換する場「子育てタウンミーティング」の様子。
気仙沼PDF

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気仙沼市在住の子どもたちが書いた絵が表紙に使われている、「第2次気仙沼市総合計画」。

自分の役割・居場所があるまちで暮らす。

続いて、移住経験者および移住支援者の自己紹介。加藤航也さんは福井出身で、大学生のときに震災ボランティアがきっかけで気仙沼へ。2015年に移住しました。「また来たくなる、惹きつける力が気仙沼にありました」と振り返ります。

尾形真弓さんも東日本大震災をきっかけに気仙沼を訪れました。2013年、大学卒業を機に市内の唐桑地区へ移住。いったん岡山県に帰郷しましたが、2021年11月に再び唐桑へ。現在は児童館職員として働いています。「まちのことを自分ごととしてとらえられるのが気仙沼の魅力」と話します。

尾形さんの話を受けて指出は、「住むうえでは、『自分がそこにいることが想像できる』ということが大事。尾形さんにとって気仙沼は、住むことを考えるとワクワクする場所なんでしょうね」とコメント。また菅原市長は、「ここは約束しなくても人と会えるまちです。そんな人間関係が心地よいと感じてくれているのではないでしょうか」と笑顔で話します。

最後は皆川太郎さん。山形県出身で、デザイン教育事業を行う一般社団法人『ペンシー』で大学時代にインターンを行いました。いったん仙台市で就職しましたが、2021年2月に気仙沼に移住。現在は地域おこし協力隊隊員として『ペンシー』に加わっています。「気仙沼には温かい人がたくさんいて、個人の“やってみたい”を応援してくれます。自分がアクションを起こすと連鎖的に活動が広がっていくところがおもしろいですね」と話しました。

気仙沼4

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写真上段右上から時計回りに、『気仙沼市移住・定住支援センター MINATO』センター長の加藤航也さん、『ペンシー』でデザイン教育を担当する皆川太郎さん、気仙沼の唐桑半島に移住した保育士の尾形真弓さん。
イベント後半は、ブレイクアウト・セッションで登壇者と参加者が小グループで交流を行いました。イベント全体を通して、参加者からは「気仙沼には、訪れた人が帰ってくる“引力”のようなものがあると感じました。その引力的な魅力は何なのかをさらに知りたいと思いました」「気仙沼で育まれている魅力的な生態系の一端に触れられてよかったです」「まさに“人を中心としたまち”というテーマがぴったりの、気仙沼での暮らしの様子がわかるような内容でした」といった感想が寄せられました。

最後に指出が 「人がまちをつくるという、菅原市長がおっしゃることを実感できましたね。そんな人たちに会いに、みなさんぜひ気仙沼へ……!」と呼びかけて、無事に閉会。人に会いに気仙沼に行きたくなるような2時間でした。

気仙沼5

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無事にイベントを終えて笑顔を見せる、左から加藤さん、菅原市長、原さん。
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今回の「結びの一言」は、菅原市長のコメントより!

「まちの将来像としては、『世界とつながる豊かなローカル』を目指しています。人口減少下にあっても、日本全国・全世界の人々とのご縁・つながりを大事にしながら、地域の豊かさを維持していきたい」(菅原市長)

最新の情報は各種SNSをチェック。

次回「東北暮らし発見塾(石巻校)」は8月29日(月)19:00~開催予定! 参加申し込みや最新情報は「Fw:東北 Fan Meeting」のfacebookページTwitterをご覧ください。
text by Makiko Kojima

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