田舎暮らしあるある? わが家にやってくる野生動物たち

連載 | 犬猫ヤギと古民家と私。~From 安房暮らし Our life ~ | 田舎暮らしあるある? わが家にやってくる野生動物たち

2022.12.19

山間部に暮らしていると、野生動物たちが田畑や庭先、ときには家のなかに住み着くことがある。筆者が住む千葉県南房総市が発表した有害鳥獣の「令和3年度捕獲頭数」は、イノシシ4098頭、サル40頭、シカ133頭、キョン100頭、ハクビシン129頭、タヌキ398頭、アライグマ117頭、アナグマ3頭となっている(※南房総市ホームページ参照)。そんな環境のなか、わが家にやってきた野生動物たちを紹介する。

屋根裏からアライグマが落ちて来た!?

改修しながら暮らしている古民家に住み始めた当初、家の中にいると屋根裏で何かが転がり落ちる音がした。外にいる犬のあわはすごい勢いで吠え、たまたま家の前にいたヤギのひじきはびっくりして固まっていた。

犬のあわとヤギのひじき
犬のあわとヤギのひじき。

外へ飛び出すと、何か小さな塊がきゅるきゅると鳴きながら床下へと逃げていった。一瞬見たその姿は、尻尾にしま模様が入ったアライグマの子どもだった。

すぐに地域の猟師さんに連絡をとって来てもらったが、既にアライグマの姿は見えず。屋根裏を確認してもらったところ、茅葺き屋根とトタン屋根の間に暮らしている形跡があるらしい。わが家のトタン屋根は穴が空いているので、そこから誤って落ちてしまったのだろう。

穴が空いた古民家のトタン屋根
この穴から落ちたと思われる。

アライグマは可愛いけれど、屋根裏で糞尿をされると家が傷むし、虫がわく原因にもなるので厄介だ。早々に猟師さんに箱罠を仕掛けてもらった。

罠にかかった! アライグマじゃない?

ときどき天井裏からきゅるきゅるとアライグマの鳴き声が聞こえてくる。夕方帰宅すると、天井裏からどったんばったんと騒がしい音が聞こえてきた。何かが罠にかかって、暴れているのだ。すぐに猟師さんに来てもらった。

すごい音だったので、てっきりアライグマがかかったのだと思い込んでいたら、大きなネズミだった……。

仕掛けた箱罠 獣害対策
エサはバナナ、リンゴ、キャラメルコーンも好きだと聞いていろいろ試した。

今度は外に仕掛けてあった箱罠に、何かがかかった。ハクビシンだ。本命のアライグマはなかなかかかってくれない。

まだ暗い明け方にあわがすごい勢いで吠えるので扉を開けると、何かが逃げた。家の前に停めていた車の屋根の上には、取り残されたアライグマの子どもが。またしても穴から落ちて、車の屋根に着地したようだ。

アライグマの子ども
アライグマの子ども。

どうしようかと思っていたら、さっき逃げた母親らしきアライグマが柱から軒の屋根へと登り、車目がけて飛び降りたかと思うと、子どもをくわえて山の方へと走り去って行った。

子どもを加える母親らしきアライグマ
子どもを加える母親らしきアライグマ。

まるでドラマを見ているようなシーンだった。

イノシシとサル

今年で米作りを始めて7年くらいになる。そのうち一回は、イノシシに田んぼを全滅させられた。全部食べられることはなくても、畔を崩されたり、稲を倒されたり。言い方を変えれば、イノシシなりに田んぼを耕してくれているともいえる? わが家の田んぼの上にある果樹園には箱罠が設置されており、毎年何頭かが捕まってはまた新たなイノシシがやってくる。

箱罠にかかったイノシシ 獣害
果樹園に設置されている箱罠にかかったイノシシ。

この地域を行き来しているサルは、30~90頭の集団がいくつか目撃されている。犬のあわがいつもと違うすごい勢いで吠えたてるので外へ出てみると、サルの集団が騒がしく移動していて、視界に入る山一面が揺れていたことがある。そして、庭先の田んぼをかっ歩したり、木の上からこちらを見物したりしていた。

サル 獣害
稲刈り後の田んぼで二番穂を食べているのだろうか?

今のところサルにわが家の庭を荒らされたことはないが、目と鼻の先までやって来ているので、いつまでこの平穏が続くのかは謎である。

アナグマが住み着いた!?

玄関を出てすぐ左手に、廃材や薪になるものを積んでいる棚がある。ある日、あわがすごい権幕で棚に向かって吠え出した。あわが棚の上に登って吠えると、中からは威嚇している動物の声が。

玄関横の棚
玄関横の棚。

地域の猟師さんに連絡をして来てもらうと、威嚇する声を聞いただけでアナグマだと言われた。アナグマは、鋭い爪を持っている。それが玄関横にいるとなると、間違って家の中に逃げ込まれてしまったら大変だ。また箱罠を仕掛けることになった。

ところが、あわがしつこく吠えたてたからか、気付いたら威嚇する声が聞こえなくなっていて、どうやらこの場を立ち去ったようだ。でかしたぞ、あわ!

野生動物たちと共存できるのだろうか

わが家の庭先にはいつも二羽のサギがいて、ここに住み着いているようだ。毎回すぐに飛び立たれてしまってなかなか写真におさめられないが、オレンジとブルーの色が美しいカワセミもいるし、夜にはフクロウの鳴き声が聞こえてくる。足元には、土がこんもりとしたモグラの跡を見かけるし、散歩中にあわが、カヤネズミやヒミズを捕まえてきたこともあった。

サギ 野鳥
庭先でいつも見かけるサギ。

猫のワラワラは、鳥や野ウサギを捕まえて家の中へ持ち込もうとするので、獲物をくわえて歩いてくる姿を見つけたら、急いで家じゅうの扉を閉め切る。家の周りは、いろいろな動物たちで溢れているのだ。

猫のワラワラ
薪風呂を沸かすときは大抵膝の上にやってくるワラワラ。

「ここは私の家だぞ」と、私も彼らも、みんなが思っているに違いない。結局、みんなの家、みんなの庭、みんなの場所なのだ。いやされること、嬉しいこと、怖いこと、困ること、腹立たしいこと、いろいろあるけれど、お互いに折り合いをつけながらやっていくしか無さそうだ。

写真・文:鍋田ゆかり