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連載 | 田舎と田舎の二拠点生活

交際期間は夫婦デモンストレーション。

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私の二拠点生活は入籍の半年前、つき合いだしてすぐの12月下旬から始まった。

なにせ彼は「麹屋」で、冬の間は一日たりとも家から離れることができず、会いたいのなら、私が彼の家に行くしかないのだ。

それも二拠点を行き来するにはお金と時間がかかるので、思い切ってしょっぱなから10日ほど彼の家に滞在した。以来、私が毎月1〜2回往復することに。

幸い私の仕事はデザインや執筆、レシピづくりや企画など、ノートパソコンとインターネットがあれば場所を問わずにできるものが多く、彼の家でも移動時間でも仕事ができた。一方、打ち合わせや撮影、イベント運営など、小豆島にいないとやりにくいことも多く、「行き来」は欠かせなかった。

最初は特殊だと思った仕事スタイルだけど、よくよく周りを見渡せば複数の場所で仕事をしている人はたくさんいる。その多くが「パソコン仕事」や「技」がある人。大地に縛られそうな「農家」という仕事ですら、「教える」ことに特化し、全国各地を渡り歩いている友人がいる。

二拠点で仕事をする体制づくり。

彼の家に行く前は念入りに確認しながら仕事資料をキャリーバッグに詰め、スケジュールも調整する。それでも「う……必要なものが手元にない。今すぐ打ち合わせに来てほしいと言われても無理だなぁ」という事態が何度も出てくる。

小豆島を不在にするのが、最初の5か月間くらいは長くても10日だったので、「3日後でもよろしいでしょうか?」とスケジュールを調整して対応してきた。そして次第に対策も充実していく。例えば、写真のバックアップは4か所に行う。ハードディスクは小豆島に1つ、持ち運び用に1つ、幡豆に1つ用意。そしてクラウドストレージ・サービスも利用している。必要な情報は紙ではなくデータ化してパソコンか「evernote」に保存。幡豆と小豆島のどちらにいるか、半年先までスケジュールを決めて、スケジュールが合うもののみ受けるようにしている。

また、断りが必要な人には、早めに理解してもらうことも重要。私の場合は小豆島に根ざした仕事や活動が多く、その多くが小豆島町長の認可の下でできていたので、彼が初めて小豆島に来た時に、小豆島町長に会ってもらい、認めていただいた。

一方、呼べばすぐに来てほしい! という要望の小豆島のクライアントには生憎切られてしまった。しかし家事と彼の仕事の手伝いをすると、私の仕事時間は格段に減るので仕事量はちょうどよい。

周りの協力もあり、今のところはなんとか仕事ができている。迷惑をかけることもあるけれど、だからこそ今まで以上に計画性をもち、気を引き締めて仕事をするようになった。

ある日の新米夫婦

ある日の新米夫婦

全国からセンスのよいお店が350店以上集まり、多ジャンルの音楽を演奏する人気のイベント「森、道、市場」で「発酵居酒屋」をOPEN。運営するのは発酵業界で注目される全国各地の蔵元・販売人・料理人。そんな最強タッグに私たち夫婦もお誘いいただき参戦しました。メンバーのおかげで居酒屋は好評。想いがあれば地域の壁を越える! と実感し、励みになりました。

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