各地で使われる地域特有のことば、「方言」。今回紹介するのは、主に新潟で使われている方言「じょんのび」です。みなさん、どんな意味か知っていますか?
答え:のんびりくつろぐさま
(※goo辞書:全国方言辞典より)
その語源は、
- 「情延」(=のびやかな気持ちになる)からきている説
- 「寿延」(=寿命が延びる)からきている説
のふたつがあるようです。
2.「寿延」を語源とする説は、新潟の方言は「ジョ」と「ジュ」の発音が混同することがあり、もともと「寿延(じゅのび)」だったものが「じょのび」と読まれ、「じょんのび」になったと推測しているのだそう。
「情延」も「寿延」も、どちらも気持ちを開放して、のびのび過ごす様子が感じられることば。それぞれ読み方も似ており、「じょんのび」の意味合いを考えても、どちらも納得できる説です。
どんなふうに使うの?
①温泉に浸かって一言。
「あ〜じょんのびじょんのび」
温泉でよく「あ〜、極楽極楽」と言いますよね。「じょんのび」も同じような感覚で使われ、最高に心地いい気持ちを表します。慣れないと言いづらいかもしれませんが、「極楽」と音数は同じ。ぜひ使ってみて。
②自宅にきたお客さんに一言。
「なんもないけど、じょんのびしていけて」
意味は「何もないけど、ゆっくりしていってよ」。このように「する」などの動詞をつけて話すこともあります。
今では日常会話のなかで使う人はだんだん減ってきていますが、そのことばの意味や響きの良さから、お店や施設の名前などで使われることも多く、県民にとっては身近な方言のひとつです。
「じょんのび」といえば、やっぱりあれ。
「極楽」「気持ちいい」「心地よい」という意味の「じょんのび」。
みなさんにとって、心地よい場所はどこですか? それぞれいろいろあると思いますが、“じょんのび”な場所といえば、やっぱり温泉ではないでしょうか?
温泉大国の日本は、全国各地に有名な温泉地がたくさんあります。
そのなかで、都道府県別の温泉地数 第1位 北海道、第2位 長野県に続いて、実は新潟県が全国第3位ということをご存じでしょうか? その数、全部で144か所。新潟県内全域にまんべんなく温泉地が存在しています。(ちなみに「温泉地」とは、宿泊できる温泉施設がある場所のこと。日帰り温泉しかない場合は、「温泉地」には含まれないそうです。)
ゆっくりと体を温めながら極楽気分を味わえる温泉は、まさに“じょんのび”。新潟県内には、「じょんのび」の名がつく温泉施設がふたつあります! それが、「じょんのび村」(柏崎市)と「じょんのび館」(新潟市)。一文字違いなだけに、たびたび混乱する人もいるようですが、それぞれ別の施設です。
「じょんのび村」は、柏崎市高柳町にある観光施設。そのなかに「じょんのび温泉『寿楽の湯』」という温泉浴場があり、施設内で宿泊もできます。柏崎市の物産品が並ぶお土産コーナーもあり、地元の観光拠点として多くの人に愛されてきた施設です。
一方、「じょんのび館」は、新潟市にある日帰り温泉施設。源泉100%の天然温泉はもちろん、最近では地元・角田山の天然水を使用した水風呂とフィンランド式サウナ「森のサウナ」も人気。サウナファンから熱い支持を得ている施設のひとつです。
こんにちは!
じょんのび館の難波です!露天風呂までの階段が明るくなりました!夜になると綺麗に光が灯されて癒されます🎵
ぜひご覧にいらして下さい!#じょんのび館#新潟サウナ#サウナ#サウナ女子#サウナ行きたい pic.twitter.com/bzWe0zwDRs— じょんのび館 (@jonnobi_kan) November 14, 2020
どちらも地元の人たちから愛される温浴施設。近くまでお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみては。きっと地元の空気を感じられるはずです。
地元の温泉で「じょんのび」体験を
先にお伝えしたとおり、県内にある温泉地は全部で144か所。このほかにもまだまだたくさんあります! 縦に長い新潟県は、上越、中越、下越、それぞれで文化や方言が少しずつ異なるのも面白いところ。行き先にあわせて、地元の温泉めぐりも楽しんでみて。新潟の温泉に浸かりながら、「じょんのび」のことばの意味を実感してもらえたらうれしいです。