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連載 | ながれやまlab. まちをみんなでつくる

まちの人事部長の採用活動とは

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すでにあるヒト・バショ・モノの価値をあげることで地域の魅力を高めながら、まちづくりの担い手となりうるヒトをも生み出していくのが、machimin流の“アップサイクル型まちづくり”です。今回は、ヒトの採用活動の実践に焦点をあてて、(自称)株式会社流山市の人事部長 としてやっていることをもう少し詳しくご紹介したいと思います。

目次

地域リーダーの育成がまちの人事部長のお仕事

まちの人事部長の仕事は、単に地域活動に参加するボランティアを増やすことでも、地域に対する関心のある人をあつめることでもありません。自分の好きなこと・得意なことを活かして地域の新たな価値を自ら生み出したり、地域の課題を解決するプレーヤー・リーダーを育てること、そして将来的に自走する地域リーダーの輩出を目指して活動することこそ、”本気で取り組む仕事である”と決めました。

人事部長の最初の仕事は育成対象となるヒトの採用です。企業でいうところの”新卒”採用活動にあたる重要なフェーズです。

前職で、自社人事や他社人事への営業に携わっていたこともあり、人の採用や配置配属は私の得意分野です(いいじゃないですか、そう言わせてください!笑)。しかし、約10年間人が活き活きと働くことに真剣に取り組む中で、社会にある本音と建前、理想と現実のギャップを目の当たりにし、究極的には経済原理を最優先する日本社会の仕組みに疑念を抱くようになりました。そして、育児休業時に自身が経済活動から離れたことで社会からの孤立を少なからず体感し、経済活動に従事できる人とできない人の間に、言葉にはうまくできない溝や、雰囲気・感覚のようなものがあり、それは身近な課題であると認識するようになります。 

子供

自分自身が感じるそれらを自分なりのやり方で越えたいと決断したとき、すでに限界を感じていた会社組織ではなく地域社会でやってみることにしました。  

経済原理でヒトを判断しない地域社会

なぜ、地域社会(=まち)なのか。経済的な活動と距離があるのは、子ども、学生、シニア、専業主婦、育児休業中のママ・パパ、障がいや心身的な課題をもっている人などが挙げられます。まちを挑戦の舞台にした理由は、こうした人々は日中まちにいる可能性が高く、「あるもの活かす」machiminでは、(朝出て夜帰る経済活動のど真ん中にいる人よりも)まちでの活動展開における重要な人的資源があると考えたからです。

machiminを運営する株式会社WaCreationのスローガン:「壁を壊して輪を創る」の“壁を壊す”には、本当は○○がしたいけど「高齢だから、お金がないから、小さな子どもがいるから、障がいがあるから、できない」「自分のことよりも母としての役割が優先」「私にはなにもできない」といった、個々人が潜在的に自分の可能性を閉ざしてしまっている「壁」を壊すという意も含んでいます。

machimin壁画プロジェクト

時間をかけて“ヒト”を見極める

将来的に自走する地域リーダーになりうる人を採用するための判断軸は、machiminの価値を高める人か、流山市の地域づくりに興味があり今すぐ貢献できる人材かという視点ではありません。コミュニティスペースでいろんな話をしたり、一緒にプロジェクトを回したりする中で、①サポートがあり環境が整いさえすれば好きなことをやり抜けそうか、②配偶者や近親者の理解がありそうか、③日常生活における時間的・精神的な余裕がありそうか、④利他の精神が見受けられるか、などを温度感や空気感を含む日々のコミュニケーションから見極めています。

つまり、「アップサイクル型まちづくり」を実践するmachiminの採用メインターゲットは、日中にまちにいて、経済原理のど真ん中にはおらず、何かの壁を感じていて、改善したいが仕方がわからなくて、今そんなに自信がなく、でも背中を押せば実際にできるはずで、壁が壊れたたとき誰かのロールモデルになる可能性が高く、自分が使える自由な時間があり、誠実で嘘のない優しい人です。

同時に、こちらも見極められています。普段挑戦しないことを一緒に頑張れそうな仲間か、納得して一歩踏み出して頂くためにも、インターン・社員訪問・試用期間を用意し、その人に見合う実践を練ります。そこでは、先行投資として地域リーダーになるための最初の研修を無償で行うのですが、行なっている事実はもちろん最初は伝えません。おっと!文字数の都合で今回はこの辺で!笑

machiminで一体どんな研修をしているのか。ヒトの内にあるものを引き出して、組み合わせて、育てて、地域の新たな価値を自ら生み出したり、地域の課題を解決するプレーヤーやリーダーに仕立てていく…私自身がワクワクドキドキしながら実践している挑戦内容の詳細は、次回以降でお話しますね。

日刊イラスト

**日刊machimin 9/20②(橋本)**

今日はスタッフがたくさん集まった日でした。目的はそれぞれ。下塗り、企画や布の色合わせの相談、縫い方を習いに、貸し出した道具を取りに。こうした目的を各人それぞれで取り組んだわけではなく、「そういえば◯◯さんに聞きたかったんだけど・・」という頭出しと共に、スタッフ同士が互いに相談しあったりする場面が多くありました。

スタッフ、増えたなあ・・としみじみ思いました。皆さん、スタッフを一生懸命やっている、というより、日常の延長線上でスタッフをしている、そんな感じがあります。
machiminにいると、ここは中(例えば、家などの個別のテリトリー)なのか、外(社会)なのか、境界がとても曖昧に感じます。スタッフも日常と同じ状態のまま、在ることができるのは、だからかもしれません。これは地域コミュニティの良さなんだろうなと思います。

昨年は特に、スタッフそれぞれが手塚さんと話をしている、という感じがあったのですが、さまざまなラボがスタートしてスタッフが数人結束して動いたり、手塚さんがmachiminにいない日があったりと、それらをきっかけに、スタッフ同士のつながりや、互いの信頼の築きが増えたような気がします。スタッフ同士の会話においては、皆さんご自身の忌憚なき意見を、はっきり伝えています。それが相手の方の参考になるという認識のもと言えてい
るのであり、相手の方もそれを十二分に分かっているので、無用に凹んだりすることなく、建設的に場が進みます。今日オフの手塚さんは大体の用件をすませると別の仕事へ。それでもmachiminはそのまま、通常通り回っているし、それぞれが自分の意見を持ち、言葉にしながら、コミュニケーションして、回っているなあと感じた日でした。仲間がいて、真摯に、楽しくやるから、1人だと難しいと思っていたことも、できるようになるんだなと、思った日です。

イラストは今日の会話の一部。誰かが何か言うと誰かしらが拾って会話が進みます。
 

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