4月上旬、子どもたちと一緒に富山県の朝日町にあるヒスイ海岸に行った。ここは東西約4キロにわたって広がる砂利浜で、誰でも自由に、ヒスイなどの石を探して持ち帰ることができる。まず私たちは、『ヒスイテラス』という施設で主要な石の写真が載ったガイドマップを入手。それを片手に海辺に座り込み、石を見続けた。ふと周りを見回すと、同年代の親子、おじいさん、若いカップルなど、老若男女問わずいろんな人が、じっと地面を見つめている。みんな探すこと自体を楽しんでいる様子で、現場には不思議な一体感があった。見つけた石は『ヒスイテラス』にいる「ヒスイ恵みの会」のボランティア・ガイドさんが、無料で何の石か見極め、それぞれの石の成り立ちや特徴を、詳しく教えてくれた。

　石を探し、鑑定してもらうこと。それは石に刻まれた歴史を感じ、海や大地を大切に思う気持ちにつながる。実際、ヒスイ海岸にはゴミがまったくなかった。この取り組みが続くことを、心から願っている。

　小一時間ほどヒスイ探しをした後、期待を胸に10個程度の石を見てもらった。残念ながらヒスイはなかったが、ガイドさんいわく「わりと稀少」なメノウという石があり、大切なお土産になった。