農業未経験者が、田舎へ移住して新規就農することは可能だろうか? 縁もゆかりもない田舎へ移住するだけでも大変そうだが、新たな土地で就農して農家になるのは尚更ハードルが高そうだ。それを実現させたのは30代の夫婦、五十嵐大介さんと早矢加さんだ。2人に移住先選びや新規就農の方法、農家としての暮らしについて聞いてみた。
移住先はどうやって決めたの?
早矢加さん「北海道に行って酪農の道をいろいろ探ってみたんですけど、ちょっと大規模になってしまう。初期投資とかも大分かかってしまうし、ちょっとイメージと違うねってなって」
そのとき思い出したのが、キルギスで見たオレンジ色の花“カレンデュラ”だった。
早矢加さん「主人がカレンデュラを育てたいって言い出して、探してみたんです。そしたら日本一の生産量が南房総市の白浜だったっていうので、ここに決まったんですよね」
どうやったら未経験から新規就農できるの?
先輩農家の下で2年間の研修を受けた五十嵐さん夫婦。カレンデュラの育て方はもちろん、農業に必要な機械の使い方や出荷の仕方までをみっちり教えてもらい、新規就農者となった。
夫婦で新規就農した農家の一日
6:30 起床
8:30 子どもたちは保育園へ
お昼までは収穫作業をすることが多い
13:00 収穫した農産物の箱詰めと出荷
18:00 保育園へお迎え
カレンデュラの和名は「金盞花(キンセンカ)」で、日本では仏の花として親しまれていることから、お彼岸前は子どもたちが寝てから夜中まで出荷作業に追われることが年に10日ほどあるそうだ。
次ページでは、「農家の一年と、理想とギャップ」を紹介
農家の一年と、理想とギャップ
5月~ 花あわ、ハウスのトマト収穫スタート
8月~ カレンデュラの種まきと管理
11月~ ナバナ収穫スタート
2月~ カレンデュラ収穫スタート
露地栽培以外に、2つのハウスを使ってカレンデュラとトマトも栽培している。つぼみのうちに出荷する切り花は、100本入りのケースを何百ケースも出荷するという。オーガニック栽培で収穫して乾燥させた花の収量は、全部で3kgほど。このドライハーブを使って、食品やコスメへの加工を行っている。
早矢加さん「そんな気持ちのなかお客さんに喜んでもらえたときや、おいしいものができたとき、子どもがおいしいって言ってくれたとき、商品になったとき、レストランの料理に使われたときに、報われるんです」
未経験者が田舎へ移住して新規就農することは可能
新規就農お役立ちリンク
https://www.city.minamiboso.chiba.jp/0000004602.html
■千葉県農業者総合支援センター
https://support.chiba-agri.com/
■千葉県担い手支援課
https://www.pref.chiba.lg.jp/ninaite/index.html
■農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/