衣料品の生産の背景には、衣類になることなく捨てられてゆく糸や生地が存在します。RYE TENDER は、本来は生産の過程において廃棄されるはずだった残糸・残布といった「余り原料」から生産した衣服を世の中へ届けるプロジェクトです。
同プロジェクトを設立するきっかけとなったのは、ファウンダーの澤木氏とディレクターの小池氏が出会った米ニューヨークでの経験です。生活者一人ひとりにサステナビリティへの意識が根付き、手に取れる商品の中に環境に配慮されたものが当たり前に存在する。そうした環境に身をおいた 2人が、帰国後、自分たちの手の届く範囲でより良い「循環」を生み出していくために RYE TENDER を立ち上げました。



RYE TENDER の特徴として、残糸・残布との出会いから始まる生産プロセスが挙げられます。商品開発をする上で、従来のマーチャンダイジング的な考え方は採用せず、原料を起点に商品開発を行い、生産規模を決定しています。また、デザインに合わせて素材を選ぶのではなく、その素材の持つ本来の魅力を引き出すデザインプロセスをとっています。
デビューシーズンとなる、2020 年秋冬コレクションでは、ウールカシミアのセーター、カーディガン、パーカー、ニットキャップなど、ベーシックなニットアイテムを軸に展開します。ウェアのプライスレンジは 15,000 円から 17,000 円、ニットキャップは 3,500 円。アイテムごとにフリーサイズ、もしくは 2 サイズ展開、カラーはベーシックなブラック、ホワイト、グレーに加え、グリーン、ピンク、パープルなどの色味を揃えました。
余り原料を使用すること、流通の過程を一元化することにより、市場の一般的な価格よりも低い価格設定が可能となりました。RYE TENDER は、原料選定から消費者の手に渡るまで、できる限り多くの工程を目の届く範囲で行っています。



今シーズンのコレクションは全て中国の工場の残糸を使用しています。こちらの工場は糸を大切に保管・管理していた為、今回のプロジェクトを円滑に進める事ができました。工場の方々にも趣旨を説明し、理解してもらう事で気持ちに一体感が生まれます。思いのこもった製品を消費者の手元に届ける事で、物を大切にする循環が少しでも広がっていく事を願っています。
販売
オンラインショップ「Tender mart」