『ロフト』と雑誌『ソトコト』は、この春、「ロフコト雑貨店」という新しいプロジェクトを展開します。第1弾の特集テーマは「お茶」。茶葉をはじめ、お茶を楽しむための道具や、お茶をとおして育まれた文化の広がりを感じるもの・コトを取り揃えました。期間は2022年4月19日(火)〜5月15日(日)まで。『渋谷ロフト』と『銀座ロフト』限定で展開します。本ページでは、「ロフコト雑貨店」をより楽しむフリーペーパー「ロフコト」の記事の一部を紹介します。
LOFKOTO Specialfeature1【お茶のひと】
これまでにない魅力のあるお茶を探していた『ロフト』のバイヤーの目にとまったのは、ステファン・ダントンさんが営む『おちゃらか』の、愉しみ方の可能性を広げる日本茶だ。
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絶品のお茶を 手軽に味わって
日本茶を、 もっと身近な存在に。
店内には、煎茶をベースにした夏みかん、ゆず、ラ・フランス、カシスなど、ほうじ茶ベースはキャラメルやチョコバナナなど数十種類のフレーバーティー。どれを選ぼうか、心がわくわくしてくる。
日本茶に、 新しい魅力を加える。
「では二煎目を淹れましょう」と再び茶葉にお湯を注ぐ。今度は少し色と香りが濃くなったようで、味はよりお茶のほどよい苦みがしっかりと伝わってくる。「淹れるたびに香りも味も変化する。その変化を愉しむことができるのがお茶の魅力だと思います」。
フランスに生まれ、ソムリエとして働いていたステファンさん。来日して日本茶に魅了される一方で、当の日本人が日本茶に関心が薄いことを残念に思っていた。「私たちフランス人なら、ワインの種類や産地、味について普通に語れます。日本茶もお茶の木の種類や産地によって味や香りが違いますが、そこまでこだわる人が少ないですし、そもそも普段から日本茶を飲む人が減っています」。そこでもっとお茶の魅力を知ってほしいと開発したのが、植物や果実の香りを緑茶やほうじ茶につけたオリジナルのフレーバーティーだ。
「日本茶もワインのように“目と鼻と口”で味わえるように考案しました。茶道や玉露は敷居が高いと思っている方々が、日本茶に触れるきっかけになってほしいと考えました。温かいお茶はもちろん、水出しで冷たく飲むこともできますし、お酒で割ってもおいしいんです」
日本茶の可能性を広げる
「ほかにもビールの泡に振りかけたり、アイスやヨーグルトにトッピングしたり。フライの衣に混ぜてもおいしいんですよ」と、このお茶の可能性を語る。抹茶よりも溶けやすいのでお菓子にも使いやすく、実際、プロのパティシエが愛用しているそうだ。
今回の「ロフコト雑貨店」に『おちゃらか』が出品するのは、「エキスパウダー日本茶」。「若いお客さんが多いと思うので、この商品から日本茶のおいしいさを感じてもらえたらうれしいです」。
1964年フランス生まれ。ソムリエ。1992年来日。日本茶に魅了され全国各地の茶産地を巡る。2005年東京・武蔵野市の吉祥寺エリアに日本茶専門店『おちゃらか』開業。20年中央区日本橋に移転。著書に『フレーバー茶で暮らしを変える』(文化出版局刊)。www.ocharaka.co.jp
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text by Reiko Hisashima