ローカルグッド、ソーシャルグッドな活動をそれぞれの形で楽しみながら行い、ワクワクする未来を想起させてくれるU30の皆さんを紹介。
目次
大好きな1960年代の昭和歌謡を 伝え続けていきたい。
福岡大学人文学部歴史学科に在籍しながら、福岡市を中心に選曲(DJ)や歌、執筆、ラジオ出演といった活動をしている冨田息吹さん。2000年生まれだが、昭和歌謡に魅せられている一人だ。その魅力について、「昭和歌謡の多くは生音でオーケストレーションがしっかり入っていて、そこにシンプルなメロディの歌声がのっています。聞いてすぐにサビやその前後を覚えられるキャッチーさがあり、作曲家や作詞家の職人気質を感じます。特に好きなのが1960年代の曲です。選曲活動の中で『この曲何ですか』『いいですね』と言われるとうれしいです」と話す。大切にしているのは、当時を生きた人の感覚や価値観を考えること。また音楽を研究するだけでなく、その周辺の文化やバックボーンも重要だと考えている。特に惹かれて研究をしているのが、1957年から30年以上に渡り博多のクラブでジャズ、ラテン、和製ポップなどを演奏していた「太田幸雄とハミングバード」だ。「メンバーの方は亡くなられましたが、太田さんの奥様や当時ハミングバードと交流があった方々とつながることができました。今後も調査を続けながら、新たな出会いや資料などの発見があればうれしいです」。福岡音楽都市協議会のキュレーションメディア『OTOJIRO』にて、同グループについての熱いコラムを連載中。
選曲活動
選曲ではDJとみじい(Tommy-G)という名前で活動する冨田さん。しぶい選曲が人気だ。選曲は毎月第3水曜夜に福岡市のライブハウス『Kieth Flack』で行ったり、毎週土曜夜にRKBラジオの「Got Many Tunes」の1コーナー「Dig Dig Records」を担当したりしている。
バンド「メル冨田と ニュー大名クォーターズ」
味わいのある美声の持ち主でもある冨田さんがボーカルを担当するバンド。敬愛する「太田幸雄とハミングバード」のカバー曲などを歌う。「1960年代のキャバレーで営業していたバンドのイメージ」だそうで、冨田さんはタキシードを着こなす。ライブ情報はInstagramへ。
text by Miho Soga & Yoshino Kokubo
記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。