ローカルグッド、ソーシャルグッドな活動をそれぞれの形で楽しみながら行い、ワクワクする未来を想起させてくれるU30の皆さんを紹介。
環境や社会にやさしいアクションが、 いつかインパクトをもたらすように。
発展途上国の支援に興味があり、大手商社で働いていた溝渕由樹さんは「自分が誰かの役に立っていることを実感できる仕事がしたい」と退社し、ブラジルやアメリカを2か月間旅した。その旅で出合ったのが、ヴィーガン(菜食主義)やプラントベース(植物性)の焼き菓子。体にいいだけでなく、プラントベースの食品は環境負荷が低い。食を通じて環境や食料問題にアプローチできることを知った。食べることやスイーツをつくることが好きだった溝渕さんは、帰国後にフリーマーケットで自作のヴィーガンクッキーを販売すると、好評で完売に。これが自信につながり、契機となった。「自分のペースで続けやすい形の、社会の役に立つ選択肢」をポジティブに提示するのに、おいしいクッキーという表現は最適だと感じたという。その後、フードビジネスの基礎を学ぶため食品会社に勤務。2021年、小学校時代の同級生2名と大学時代の先輩1名と共に『ovgo』を設立して始めたのが、ヴィーガンクッキーのブランド「ovgo BAKER」だった。「社会問題に関心のある人だけではなく、垣根を取り払ってさまざまな人にとっての当たり前にしていくのが大事かなと感じています」と話すように、あえて商品に込めたメッセージを前面には出していない。あくまでおいしく、楽しく。「ソーシャルグッドな活動を長く続けることが、一番大事だと思っています」。
ovgo BAKER

ovgo BAKER Edo St.店


text by Miho Soga & Yoshino Kokubo
記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。