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9月4日はクジラの日!400年続くクジラ文化を肌で、舌で、目で、感じてみよう。

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一般財団法人日本鯨類研究所が制定した「クジラの日」は、9月4日。理由は、想像がつきますよね? 語呂合わせで「く(9)じ(4)ら」です。

江戸時代からクジラ漁が行われてきた、千葉県南房総市の和田町で開催されている写真展「鯨とワタシたち」や、シロナガスクジラの骨格標本(レプリカ)が展示されている「道の駅和田浦WA・O!(ワオ)」を紹介します。

目次

全長26メートル! シロナガスクジラの骨格標本を見に行こう

捕鯨基地がある和田町の海辺にある、道の駅和田浦WA・O!。JR内房線和田浦駅から歩いて行けるこの場所に、シロナガスクジラの骨格標本が屋外に展示されているので、道の駅を目指せば自然と目に飛び込んで来ます。
シロナガスクジラの骨格標本

シロナガスクジラの骨格標本

展示の隣には「鯨資料館」があり、建物の前には捕鯨砲が2台。資料館ではクジラの骨を使った工芸品や捕鯨にかかわる道具などが展示されているようですが、新型コロナウイルス感染症の影響で取材時は閉館中でした。

直売所ではツチクジラの肉以外に、クジラのハムや薫製、缶詰などの加工品もあり、店内にはクジラのヒゲが展示されていました。レストランでクジラ料理を堪能することができ、テイクアウトコーナーで気軽に「くじらコロッケ」や「くじら肉まん」を食べることもできます。

クジラのハム

クジラのハム

写真展「鯨とワタシたち」の主催者とクジラ

道の駅和田浦WA・O!から800メートルほどの場所にある「Cafe わだぱん」で開催されている、フォトグラファー飯田裕子さんの写真展「鯨とワタシたち」。この写真展は、南房総の和田、白浜、岩井の3カ所で開催している写真展「海と人と鯨と」のうちの一つです。
Cafe わだぱん

Cafe わだぱん

カメラを構えると定位置に移動した看板犬の“なる”
会場のCafe わだぱんでは、オープン当初から和田町産のクジラを使った「くじら竜田HOTサンド」がメニューにあります。店主のおがたゆかさんは、オーストラリアで6年間ホエールウォッチングの仕事で船に乗っていました。和田の海に入って浮かんでみたとき、建物が視界に入らず、山と空しか見えない景色を目にして「オーストラリアと変わらない! ただいまぁ」と思ったそうです。そして、「フタを開けたらここはクジラの町だった」とおがたさんは言います。

飯田さんは、1999年南房総市岩井町に移住しました。その2年前、和田港から捕鯨船に乗って捕鯨の様子を取材したそうです。海の近くに住みたいと思い、初めて岩井の物件を見に訪れたとき、「あれ、ここ前に来たことあるぞ!?」と思った飯田さん。捕鯨の取材時に、クジラの骨を肥料にしていたことを聞き、その骨がどこにまかれるのか取材を進めるうちに、岩井のビワ農家にたどり着いたことを思い出したのだとか。引っ越し当日、掃除をしていると防災無線が流れ「ただいま、高崎港(岩井町内)沖でクジラと漁船が衝突しました」と、クジラの訪れを知らせてくれたそうです。

写真展「鯨とワタシたち」主催者

写真展「鯨とワタシたち」主催者

クジラのオリジナルTシャツを着る飯田さん(左)とおがたさん(左)
そんな2人がCafe わだぱんで出会って話をしているうちに、あれよあれよと3カ所での写真展開催へと発展していったのです。

捕鯨船とホエールウォッチングの船

飯田さんが取材で捕鯨船に乗ったとき、大島沖まで行って13頭のクジラの群れに会ったそうです。

飯田さん「よし、打つぞ! てなったときに、一番手前のクジラが顔を上げて見てるわけ。もう目が合っちゃって、その瞬間クジラには、なんで見てるの! 逃げなきゃだめじゃないって思ってるし、砲手さんたちも懸命に、船一丸となってやってるから捕ってもらわないと困るし、そのときに私のなかで相反する感情がおきて……」

そのときの様子を飯田さんがまとめた「捕鯨船乗船記1997 千葉県和田浦」はこちら。(https://note.com/yukoiida/n/ne995762ccd77?fbclid=IwAR36hTiANUL-qcPNsVmoaWVLXuqwarMdfYbkDMpcPUBK8W-85g_7vxEEiWc

写真展「鯨とワタシたち」の様子

写真展「鯨とワタシたち」の様子

写真展で展示されている、大漁祝い着「万祝(まいわい)」と、座間味のクジラ
今年の春、飯田さんは慶良間諸島の座間味島へ、クジラの撮影に向かいました。一日5~6時間、船に揺られてクジラを探したそうです。

飯田さん「クジラが吹く潮を目視だけで探すのは、捕鯨船に乗ったときと同じ。捕鯨船もまず探すとこから。見つけた、行け! ていうのも捕鯨船と一緒。だけどそこでとるのは銛(もり)で捕るんじゃなくて、カメラで撮る」

同じ“とる”でも、字が違うと話していると、「でもshooting(シューティング)、英語は一緒ですね」とおがたさん。英語のshootingには、射撃や発砲という意味以外に、撮影という意味もあるそうです。

「南房総トライアングルを巡る海の写真展」の案内

「南房総トライアングルを巡る海の写真展」の案内

クジラがつないだご縁で開催されている写真展「鯨とワタシたち」は9月6日までですが、和田町や南房総エリアにはクジラにまつわる場所やもの、お店、イベントなどがあるので、400年続くクジラ文化を肌で、舌で、目で、感じてみてください。

※紹介した内容は取材当時の情報のため、変更になっていることがあります。訪問の際は、事前に最新の情報をご確認ください

取材協力:道の駅和田浦WA・O!(http://wa-o.awa.jp/index.html
     Cafe わだぱん(http://wadapan.com/
     フォトグラファー 飯田裕子(https://yukoiida.com/

写真/文:鍋田ゆかり

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