2010年からある雑誌の連載でさまざまなご夫婦を紹介するページを担当していた編集者・ライターの宮本恵理子さんは、取材のたびに感じていることがあった。「当たり前のことほどふだんは言語化しない人が多いですよね。取材が夫婦間でのすり合わせの時間になったり、家族間では聞きにくいことを私がお聞きしたりして、取材後の関係性がいいほうへ変わっている気がしました」。これを長年残る形でご家族のために残せたら──。2014年頃、そんなアイデアを、連載でチームを組んでいたカメラマンのキッチンミノルさんに話すと「つくりましょう!」と返答があった。
その構想から約3年。二人の想いは形になった。家族写真とテキストを、美しい手製本で知られる『美篶堂』が綴じた一冊だ。その名も「家族製本」。「家族をつなぐイメージと“家族製の本”という意味をこめています。家族がより家族になるような時間をつくっていきたいです」。
\ここがオススメ/
すぐ手に入らない時間の豊かさ。
「便利なツールが多い時代だから、あえて時間のかかるものにしたかったんです」と宮本さん。一生ものの一冊は約1か月後に届く。
家族製本
依頼主の思いや物語を取材・撮影して制作・製本される、オーダーメイドの本。巻頭に家族写真があり、その後にテキストやメッセージがおさめられ、自由に記入できる白紙ページが続く。巻末には写真と取材音声のデータが入ったCD-Rが。●10万4760円〜(家族製本 http://kazokuseihon.com)