読者のなかに、一人暮らしの家族や知り合いを心配している人がいるかもしれない。『ビヨンドザリーフ』の楠佳英さんもその一人だった。「一人暮らしをしている義母に対して、『少しでも生きがいや喜びを感じてもらえたらいいな』と感じたんです」。出版社でファッション誌の編集者を長く務めていた楠さんは、ファッションの流行のサイクルが年々早くなっていると感じる一方で、義母の趣味である編み物にふと目を留めた。「流行は関係なく美しくて、命が宿っているような気がしたんです」。手描きのイメージ画と毛糸を義母に渡すと、すてきなクラッチバッグが編み上がった。 楠さんはNPO法人『五つのパン』が運営するコミュニティカフェの編み物サークルと協力し、義母らを編み手として完成品を販売するブランドを立ち上げた。「人は、人の役に立ちたいと思っているもの。自分のつくったものが誰かに届けば、生きがいにつながります」。
\ここがオススメ/
誰がつくったのかが分かるカード付き。
40〜80代の約40名が編み手と縫い手になり商品を製作。バッグの中には編み手や縫い手の直筆サイン入りカードがある。
Beyond the reef(ビヨンドザリーフ)
ハンドメイドブランド。品がありながら親しみやすいデザインや、ていねいな手仕事による完成度が特徴。受注生産のため詳細は公式サイトを参照。7月末に横浜・日吉に初店舗がオープン予定。●写真左から、かごバッグ Needle(M)/2万3544円、かご用インナーバッグ(M)/3672円、アラログバスケット レース編み/2万8944円、ヘンプサークル/3万5424円(ビヨンドザリーフ https://beyondthereef.jp)