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場づくり・コミュニティ

連載 | NEXTSTAGE まちのプロデューサーズ2.0

地域の方々と共に、子どもたちの人生の幅を広げる。

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目次

研究職に、コンサルティング……。多彩なキャリアを活かして、「放課後」をキーワードに子どもの教育の分野で活躍しています!

お話を聞いた人

島村友紀さん 『放課後NPOアフタースクール』理事・事務局長

横尾 今回お話を伺うのは、『放課後NPOアフタースクール』の理事・事務局長の島村友紀さん。「地域で子どもを育てる」をコンセプトに、分野も年代も多様な人たちを「市民先生」として迎え、放課後の小学校を活用し、500種類以上のプログラムを子どもたちに提供しています。島村さんはどのような経緯で、ここで働くことになったのでしょうか?

島村 もともと教育に興味があり、新卒で教育分野の会社に就職しました。保育園の立ち上げや運営を経験し、現場の楽しさや可能性を感じたのですが、次第にもっと自分に力をつけたいという想いが強くなり、大学院に進学したんです。その後、ご縁があり、シンクタンクに転職し、保育や子育て、それに介護医療系の調査研究や企業の経営コンサルティングをやっていました。

横尾 多彩な経歴ですね。なぜ、NPOという場所を選んだんですか?

島村 第2子の出産後、子育てを続ける中で、保育園や家庭といった点と点だけでは解決できない課題がたくさんあると感じたんです。「多様性」などと言われる時代ですが、園と家との往復だけでなく、地域や企業などのいろんな人たちを巻き込んだ子育て環境をつくったほうが、親にとっては子育てが楽になるし、何より感性が豊かな子どもが育つのではないかと思いました。そんな時に、このNPOに出合ったんです。

横尾 それまでのキャリアは、今の仕事にどう生きていますか?

島村 すべて生きています。現場で働いた経験はもちろん、大学院での学びは社会全体を捉えるベースとなりましたし、さまざまな業界の企業や団体、研究者の方々と仕事をしたコンサルティングの経験は、今まさにNPOでセクターを越えて人を巻き込みながら事業を推進する力につながっています。

横尾 NPOへの転職の決め手は、代表からの言葉だったとか?

島村 面接での私の「子育てとの両立ができるか」という不安混じりの問いに、「仕事に人生を合わせる必要はない。人生に仕事を合わせればいい」と言ってくださったんです。今まで、どちらかと言えばネガティブ印象が多かった子育てと仕事の両立を、こんな風に受け入れてくれる土壌があるんだなあと思って。今、私は事務局長として、そのような風土を、どう後追いで制度にしていけるかに取り組んでいます。不思議な巡り合わせですよね。

横尾 とてもいい言葉ですね。さまざまなキャリアを歩んできた島村さんがつくる制度は、きっとみんなにとって働きやすいものになるんだと思います。最後に、これからの活動について教えてください。

島村 子どもたちの生活の、実は大半を占める「放課後」に、求められるものは何かということをさらに考え抜いていきたいです。自由な「放課後」で子どもたちが自分の大好きなこと、没頭できることを見つけ、友達と一緒にのめり込んでいく。そんな環境をつくりたいと思っています。好きなことであれば、トライ・アンド・エラーを繰り返し、成功体験も失敗体験もどんどん積んでいけますよね。私たちは「社会のインフラ」となり、子どもたちに人生での出会いを少しでも多く提供できればと思っています。当分、このキャリアは続きそうです。

取材後記

 大きなキャリアチェンジを経て、「社会をよりフラットに見ることができ、活動の幅が広がった」という島村さんの言葉が、とても印象的でした。転職と子育てを経験した後に、今のキャリアに就いたことで、「いい意味で仕事が自分ごとになった」とも話されていました。これまでに4000人以上の「市民先生」と5万人以上の子どもたちにアフタースクールを提供してきた『放課後NPOアフタースクール』さん。今後は活動の幅を全国にも広げていくとのことです。学校と家庭だけでは学べない「生き抜く力」を、ぜひ多くの子どもたちに身につけさせてあげてほしいです。お近くで活動を見かけたら、ぜひ参加してみてください! 企業や自治体とのコラボも大歓迎だそうです。(横尾)

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