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サスティナビリティ

特集 | SDGs入門〜海と食編〜

須田那月さんが選ぶ「サーフィン×海と食とSDGsに触れる本5冊」

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プロサーファー、そして海の環境を守る『サーフアンドシー』の理事として日々海と向き合う須田那月さん。須田さんは「まず海を感じることから始めてほしい」と言います。海の楽しさを発信すること、スポーツとしてのサーフィンを盛り上げること、海の環境を守ることはすべて関係しているとわかる5冊です。

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(左から)1. 歴史を変えた50人の女性アスリートたち / 2. ALOHA JOUNEY
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(左から)3. 海について知っておくべき100のこと / 4. THE ART OF WAVES / 5. 海洋プラスチックごみ問題の真実
鹿児島県・種子島出身ということもあり、昔から海は身近な場所。小学生の時にプロサーファーを目指すようになって以来、毎日のように海に通っていますが、何年も見ていると、好ましくない変化が海に起きていることを実感します。「大好きな海とサーフィンの未来のために、いま私たちができること」をテーマに『サーフアンドシー』を仲間と設立したのは、まさにそれが動機。環境美化活動であるビーチクリーン運動などを行っているのですが、まずは海やサーフィンの楽しさを知り、そこから海に関心を持ってもらうことが大切だと感じています。

『ALOHA JOUNEY』は種子島に移住され、サーフィンがともにある生活をしている画家の松田大児さんが著者。「サーフィンはこんなに気持ちいいもの」ということを、種子島の海辺の時間を感じるような絵とシンプルな言葉で教えてくれます。またサーフィンには競技である「コンペティション」と、趣味として楽しむ「ライフスタイル」の2種類があるのですが、後者の素晴らしさを表現している本だと感じます。

一方、アスリート・スポーツとしてのサーフィンに対してもできることを探していきたいと思っているのですが、そんな心の支えになっているのが、『歴史を変えた50人の女性アスリート』です。女性アスリートたちが逆境を乗り越え、その功績が現在にどう関わっているかなどが、まるで本人と話すような感覚で読める本です。私はサーフィン界のジェンダーの不平等を解消したり、裕福でなくても挑戦のチャンスをつかめる制度をつくることを目指していますし、スポーツとしての地位も上げていきたいと思っています。難しいことも多いですが、彼女たちが苦境の中で道を切り拓いてきたエピソードが優しく背中を押してくれます。

『海洋プラスチックごみ問題の真実』は、『サーフアンドシー』の活動において原点となる知識を得られた本です。研究に基づいた現実的な問題への対応を学ぶことができ、ビーチクリーン運動がなぜ必要なのかなどを説明する際にも参考にしています。この本で、個人にできることは何なのかをしっかりと伝えられるようになりました。これからも多くの人が海の楽しさを知り、何かアクションができるきっかけをつくっていけたらと思っています。

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すだ・なつき●1995年鹿児島県・種子島生まれ。2014年『日本プロサーフィン連盟(JPSA)』ショートボード初優勝、2019年JSPAグランドチャンピオン。2021年、思いを共にする仲間とNPO法人『サーフアンドシー』を設立し、環境美化運動などに取り組む。
photographs by Yuichi Maruya text by Sumika Hayakawa

記事は雑誌ソトコト2022年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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