生の声を伝えることで、男性従業員の育業(育休)取得を“普通の選択肢”に。

生の声を伝えることで、男性従業員の育業(育休)取得を“普通の選択肢”に。

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2022.12.23

航空事業を筆頭に、航空関連事業や旅行事業、貨物・物流などの事業を展開し、グループ全体で約4万5000人の社員を擁するANAグループ。独自の育児休暇制度の取得率100%を目指す現在、男性従業員の育業(育休)取得は、“普通の選択肢”になりつつあるといいます。この企業風土醸成の裏側にある会社側の想い、そして実際の経験者の声をお聞きしました。

話をうかがった人

『ANAホールディングス株式会社』代表取締役社長 芝田浩二さん
『ANAホールディングス株式会社』グループDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)推進部 新井哲朗さん
『全日本空輸株式会社』オペレーションマネジメントセンターOMCオペレーションマネジメント部 松本巧さん

ANAグループの3つのポイント

1. 全従業員の意識改革のため、育業(育休)の各種情報や取得者による経験談の共有を強化。記事や動画にまとめ、社内イントラネットを通じて配信。

2. 会社独自の育児休暇制度である「出産・育児に関する特別有給休暇」の設定。

3. 育児に関するハンドブックの制作や「Hello! Baby Card(お子さん誕生祝いカード)」の贈呈などを通じて、自然に育業(育休)取得ができる企業風土の醸成。

社員一人ひとりのパワーが発揮されてこそ、安心と信頼を提供できる。

2022年4月にANAホールディングス株式会社の最高経営責任者へ新たに就任した芝田浩二さんは、『安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢に溢れる未来に貢献します』という経営理念実現のために必要なこととして、「紛れもなく社員の力です。会社を成長させる資本である、社員一人ひとりのパワーが十二分に発揮されるような環境を、経営者として整えていきます。男性の育児休業の取得は社会的課題でもあり、4万2196名(2022年3月31日時点)という従業員規模のANAグループこそ率先して取り組みを進めていきます」と力強く話した。

ANAホールディングスには、「出産・育児に関する特別有給休暇」という3日間の特別休暇が取得できる独自制度があり、2021年段階で男性従業員の取得率は64.5%となっている。しかし、2023年末までに取得率100%を目指すこと、そして2021年度実績で26%という育児休業の男性従業員の取得率改善を推進していくことを、プレスリリースを通じて宣言している。

「出産・育児に関する特別有給休暇」の取得100%実現のために、経験談の共有を強化。

ANAホールディングスの「グループDEI推進部」は、多様な人財の活躍推進を行う専任組織で、前述の会社が掲げる目標を実現させるための実行部隊でもある。同部に所属する新井哲朗さんは、社員に対して育児休業や育児休暇などの制度利用を促す立場であり、第2子誕生時に「出産・育児に関する特別有給休暇」と合わせて3か月の育児休業を取得し、部署の仲間から子どもの誕生を祝う「Hello! Baby Card」を受け取った経験者だ。

社員に向けた男性の育児休暇・休業に対する情報発信を今まで以上に増やそうと、同制度を取得した本人だけでなく、上司や同僚・家族へもインタビューをし始めた狙いはこうだ。「自分自身の体験でもありますが、取得者のご家族の『一緒に過ごせて嬉しいし、助かる』という本音を知ることで、家族と過ごすための休暇取得にもっと前向きになれると思いました。また、取得者の同僚や上司の声を知ることで、仕事を離れることに安心してもらえればと思いました。」

「本人が幸せいっぱいで帰ってきてくれて、その後今まで以上に責任感を持って業務に取り組んでくれている姿勢が、職場全体にいい影響を与えてくれています」とは、実際のインタビューで育児休業取得者の上司から出た声であり、職場からも家族からも前向きな言葉ばかりが寄せられているのだという。

休暇・休業の取得率向上だけでなく、過ごし方の質を上げるために。

育児に関するハンドブックや育業(育休)の各種情報や取得者による経験談を掲載している社内イントラネットには今後、家族で育児休暇・休業の取得時期や、家事・育児の分担などについて話し合うことを目的とした「家族ミーティングシート」を新たに追加するという。父親が育児や家事にしっかり参加してより意味のある時間にして欲しいという思いが込められた施策だ。想定されるさまざまな家事(掃除や洗濯、子どものミルクをつくる、献立を考えるなど)を基に、見えにくい家事の把握や誰がいつ担当するのかを家族で話し合うことを目的としている。制度の取得率を上げるだけでなく、育児休暇・休業中、そしてその後の過ごし方の質を上げるという、一歩寄り添った取り組みのように見える。「ただ協力しましょうと言うよりも、もっと具体的にもっとスムーズに育児に参加できると思いました。育児休暇・休業が終われば終了ではなく、仕事復帰した後の育児にも役立ててもらえたらと思っています」と新井さんは話す。

育児休暇や育児休業制度の取得率向上に注力するだけでなく、その先も続く育児を見据えた取り組みはこれからも続いていく。

男性の「育児休業」取得は、当たり前。

2013年に新卒で入社した全日本空輸で働く松本巧さんは、第1子が生まれる2021年4月1日から5月末までの2か月間、「育児休業」を取得した。

期間を2か月間としたのは、「ひとまずは自分たちなりの子育てのサイクルができるんじゃないか」という、夫婦会議の結果だそうだ。「子どもができたら育休を取るつもりでした」という言葉があまりにも自然なのは、同期の男性従業員が半年ほど前に育児休業を取得するなど、社内で男性が育児休業を取得することは、身近だったからだ。さらに、社内のイントラネットで育児休業についての疑問点を調べて、育児休業を取得しても一定期間内であれば評価に影響しないことなどを事前に理解していたと言う。実際、当時の上司に子どもが生まれることを報告した際には、「おめでとう!」という言葉とともに「育児休業、取得する?」と育児休業取得は当たり前と言わんばかりの祝福を受けたという。

2か月間の「育児休業」で深まった、夫婦の絆。

また、松本さんは出産予定日に会社独自の休暇制度「出産・育児に関する特別有給休暇」を利用して休みを申請し、そのまま育児休業に入ったのだという。まとまった休みを取得した感想については「育児休業を取得して良かった。みんな絶対に取った方がいいです」と笑顔を見せた。その理由は、「生まれてすぐから2か月間、夫婦で分担しながら育児に集中できたことが大きいです。朝から昼のミルク担当は僕で、夜は奥さんといった交替制にしたり、家事全般を自分が担当したりすることを通じて、奥さんとの絆が深まったような気がします。子どもはとにかくかわいいけれど、なぜ泣いているかわからなかったり大変なこともある。そのうれしさも大変さも、奥さんと共有できたことが良かったです。しかも、生まれてすぐからずっと一緒に過ごせたからか、子どもも僕に心を許してくれていて、1歳を過ぎた今も、お風呂に入ったりおむつを替えたり、奥さんだけに頼らない育児を続けられています。」

職場内で伝播する、男性の「育児休業」取得。

仕事を休むことについて、心配はなかったのだろうか。「僕の仕事は、国家資格が必要な運航管理者なので、誰にでもすぐに代わってもらえるものではないんです。限られた人数の中で自分が抜けるとなると、同僚にその穴埋めをしてもらわなければならず、みなさんの有休が取りにくくなることを心配していました。ただ、以前に先輩が育児休業を取得していた経験があるからか、上手くやりくりをしてくださったと聞いています。育児休業中は仕事の連絡はなくしっかり育児に専念させてもらいましたが、『元気にしてる?』『眠れてる?』と、新米パパを心配する連絡をもらったりして、その心遣いもありがたかったですね。」

育児休業から復帰して約1年半が経つが、その後同じ職場の中で3名の男性が次々と育児休業を取得。「子どもができたら育児休業は取るもの」という考えは、ますます浸透しているようだ。松本さん自身、育児休業を取る社員の仕事を引き受ける側も経験したが、「今いるメンバーでうまく補い合えたため、不便は感じませんでした」と振り返った。そのうえでこう続けた。「今しかできない、何度もない経験だからこそ、機会がある人は、育児休業を取ってほしいですね。僕も第2子を授かることがあれば、また必ず育児休業を取って育児に専念したいです。復帰後は育児だけでなくしっかりと仕事をして、公私共に充実した時間を過ごしたいと思います。」

● ANAホールディングス株式会社の事例動画はコチラ
https://www.katei-ryouritsu.metro.tokyo.lg.jp/danseiikukyu/jirei/

photographs by Yuichi Maruya text by Maho Ise