キャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」をはじめ、地域の未来を循環型事業を通じて創りだす地域未来創造事業体、有限会社きたもっく(群馬県北軽井沢)は、地域資源活用事業の拡大に伴い、地域資源活用工場「あさまのぶんぶんファクトリー」(以下、新工場)を2021年7月に竣工します。新工場は小規模林業地帯にマッチした多品種少量生産が可能な林産加工(建材・家具材)と、持続可能な地産木質エネルギーの製造(薪)を可能とし、木造建築事業と養蜂事業の拠点機能も担います。
この新工場の詳細やきたもっくの事業活動をお伝えするプレスツアーを、7月27日(火)に開催します。
本事業の背景・意義
群馬県長野原町は、広葉樹の天然林とカラマツの人工林の面積が合わせて約71%を占める、林野面積占有率の高い中山間地域です。全国の中山間地域の山林は、かつては薪や炭の生産地として盛んに活用されていましたが、エネルギー革命とともに衰退していきました。近年では、広葉樹を切り出し、木質バイオマス発電の燃料やキノコの菌床などに活用されていますが、依然として健全な山林の育成、地域産業の発展といった課題が残っています。
きたもっくは地域山林(約240ha)を所有し、浅間高原北麓の特徴である豊富な広葉樹を中心に計画伐採をしています。伐った木材は主に薪(木質エネルギー)となり、建材や家具材としても利用することで木を余すことなく活用。木を伐って光が入るようになった山林では、広葉樹の萌芽更新と組み合わせた養蜂によって多様な花から良質な蜂蜜が採れます。価値化された地域資源は、キャンプ場「北軽井沢スウィートグラス」やミーティング施設「TAKIVIVA(タキビバ)」、地域の一般家庭で活用。薪ストーブや薪ボイラーを設置し、薪の年間消費量は約900㎥におよびます。建築には地域材を加工した建材、家具材をふんだんに使用。蜂蜜や蜂蜜加工食品は、自然の魅力をダイレクトに味わえる商品として販売しています。
新工場では、廃材を活用する薪ボイラー式高効率薪乾燥機を自社開発。含水率の低い薪を短期間で製造し、通常、寒冷地での広葉樹薪づくりには18ヶ月ほどかかるところを6ヶ月まで短縮しました。寒冷地薪特有の高密度な品質をキープしつつ、乾燥時間を大幅に短縮することでコスト削減を実現しています。薪乾燥機の排熱は建材・家具材の乾燥や蜂蜜の越冬保管にも利用し、地域資源の活用を効率的に行う拠点として活躍します。
「きたもっく」について
群馬と長野の県境にそびえる、活火山浅間山の麓「北軽井沢」。 火山灰土の荒野が広がる寒冷地に木を植えることからはじまった場づくりは、年間10万人が訪れる日本有数のキャンプ場へと発展し、さらに進化を続けています。2019年には地域山林を取得し、地域資源の生産加工を本格化。薪などの木材生産に加えて養蜂にも取り組み、消費出口と組み合わせた地域資源の持続可能な6次産業化を実践しています。
これまでの実績
・『家族で冬キャンプ 東日本1位』キャンプ場スウィートグラス(2018年 日経プラスワン)
・『森林サービス産業 推進地域』選定(林野庁)
・『地域未来牽引企業』認定(経済産業省)
・『群馬県6次産業化チャレンジ支援事業 1位』(2020年 群馬県)
・『ディスカバー農山漁村(むら)の宝 関東ブロック』(2020年 農林水産省)
・『6次産業化アワード 食料産業局長賞』(2021年 農林水産省)
・『SDGsぐんまビジネスプラクティス』先進事例認定(2021年 群馬県)
新工場プレスツアー概要
日時:2021年7月27日(火)14時~ (13時受付開始)
対象:プレス・メディアの方 事前登録制
会場:あさまのぶんぶんファクトリー
住所:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-47