北の雪国・北海道。冬は雪が降るのが当たり前の生活ですが、それにしても今年は大雪過ぎなんです。道民も驚くほどの雪の量に除雪も大変。幹線道路は徹夜の除雪作業で多くの方が働いています。北海道民が言う「大雪」ってどんなことを言うのでしょうか。今年の雪景色をご紹介しましょう。
毎年の平均降雪量は3メートルから5メートル
初めて雪が降る「初雪」は、早いと10月末頃。
遅くても11月には一度降り、そのまましばらく降らずに溶けていきます。
その年によっては、「初雪」の降雪量があまりにも多すぎて、そのまま「根雪」になることも。
「根雪」とは、溶けずにそのまま雪が積もることです。
北海道民は雪が解けない日が続き、雪が降り続けると、
「もう根雪だね。」
「これは根雪になるね。」
「今年は早い(遅い)ねー」
と、あいさつ代わりに言葉を交わします。
初雪が降る頃は、車のタイヤを冬タイヤへと交換したり、ストーブ用の灯油を購入したり。
雪かき用のスコップを物置きから出したりと、本格的な冬の到来の準備を始めます。
子どもも大人も、雪が降ったら「雪かき」をすることが冬の仕事です。
毎年3メートルから5メートルほど雪が積もりますが、家が埋まってしまうわけではなく、
除雪をこまめにしたり、公的な除雪車が除雪を行い、雪のシーズンをしのいでいます。
それにしても今年は多い!数日で雪の壁が出現!!
ですがその後がすごかった!
年末年始から年明けにかけ、一日に30センチから50センチ以上積もり続ける日が続きました。
それに加えて今年はなぜか気温が高いのです。
北海道は「凍れる」と、気温がマイナス15度以下になる日もあり、そんな時は雪も水分を含みにくく軽いので、雪かきも比較的ラクちん。
ですが、今年の冬は気温がマイナス5度以上の日が多く、雪が水を含んでいて重いのです。
雪かきをするだけで、全身汗だく。翌日は体中が痛み、筋肉痛です。
体力が奪われる雪かきは、大変な重労働です。
それにしても、なぜこんなに高さのある雪の壁ができるのでしょうか。
除雪車はありがたい!道路状況も一変、車も走行しやすい!
車の走行台数が減る夜中の0時から始まり、朝7時までに終了するように除雪が入ります。
作業員は寝ずの作業で、夜通し朝まで街中の除雪を行います。
「除雪」は道路の雪を、道路の脇へ寄せる作業。
「排雪」は、道路の脇にある雪をロータリー車が取り込んで飛ばし、その横にぴったりついたダンプカーに載せ、排雪場である堤防や広場などへ運びます。
「排雪」は時間も人手も専用車も必要な作業なので、頻繁には入りません。
そのため、除雪作業で脇に寄せられた雪が高い壁へと「成長」していくのです。
降雪量がすごいため、雪の壁が高くなり、道路沿いにある家は見えなくなります。
この雪の壁から、人や車が出てくるとき、相手側も幹線道路を走る車が見えにくいので、事故につながることも多くあり、雪道はドキドキの連続です。
無くなっていた歩道も現れ、道路沿いの家もはっきり見えました。
道路全ての見通しが良くなり、脇から出てくる車も安心です。
雪は大変!けれど恩恵もいっぱい
吹雪きや「凍れ」は大変ですが、冬の地元民しか見られない美しい真っ白な景色。
大変な生活だけではない、自然のお返しもたくさんあります。
たくさん買い出しをして冷蔵庫に入らないものも、雪の中に埋めたり刺しておいて天然冷蔵庫にもなるのです。
お客さんが多くなる日、早く冷やしたいとき、我が家ではよくやっている方法。
これも雪の恩恵ですね!
そのほかにも、雪室でお酒の熟成をしている酒蔵や、多くの雪が降るため、お米や農作物の生産が盛んであることも雪の恩恵でしょう。
それにしても今年は雪が多くて本当に大変です。
北海道は3月まで「雪かき」が続きます。
だからこそ、春や夏の到来を恋しく、毎年うれしく思っています。
いつか大雪を体験しに、冬の北海道へ来てみませんか。
■ライタープロフィール
炭本まみ:北海道旭川市出身。保育士として10年勤務後、様々な仕事を経験し、フリーライターに。子育て・発達障害など保育士経験と子育て経験を基にした記事と、地元旭川、北海道の魅力をもっと地元民や道外の人に知ってもらえる記事を執筆中。