縄文時代前期から食べられていたといわれる「かつお節」。みそ汁のダシから卵かけごはんの上など、食事のメインとはいかないが、日本人の食文化を支えてくれている大事な食材といえる。名脇役ともいえるこのかつお節を圧倒的な消費量で支える市は一体どこなのか!?
第3位 高知市
江戸時代から続く、高知県の名産「土佐節」
かつお節といえば土佐節。という人も少なくない。土佐節は江戸時代には一流のブランドとして扱われ、現代も愛され続けているかつお節のひとつである。この土佐節はカチカチではなく、簡単にスライスできるのが特徴。削り節としても楽しめるが、かつお節を刻んでパスタに混ぜたり、棒状にカットしてマヨネーズと一緒にお酒のおつまみにしたりと中々、万能な食材なのだ。ちなみに土佐節はまるまる1本で販売されていることが多い。
第2位 鹿児島市
かつお節の国内シェア70%超えを誇る鹿児島県
鹿児島市のある鹿児島県は、国産かつお節生産量70%を超えるかつお節県。かつお節の生産業が始まってはや300年以上!かつお節のレジェント的存在だ。鹿児島県のなかでも、枕崎市と指宿(いぶすき)市にかつお節工場が集中しており、枕崎市では40軒以上、指宿市では30軒ほどと全国でみても圧倒的に多い。そのため自然とかつお節が家にあったという家庭が多く、多くの食卓で日常的にかつお節を使用しているのだろう。ちなみに国産かつお節生産量の約50%を占める「枕崎市」は、食品衛生の管理基準である「HACCP」を取得するほど衛生管理が行き届き、西日本の小売業者の中には枕崎市のかつお節で!と指定する業者も多いそう。
第1位 那覇市
琉球王国から続く、かつお節の歴史
琉球王国とは約450年もの間、日本の南西諸島に存在した国のこと。明治12年に沖縄県となるまで独自の文化を築き上げてきた。琉球王朝の宮廷料理もこれまた独自で、「薬膳志向」の強い料理が好まれていた。その結果、塩分控えめなかつおだしを使用した薬膳料理が登場したといわれている。それをきっかけに、かつお節を使った料理が国民に広がっていくのだが、かつお節の消費をさらに加速させた理由がもう一つある。
県民の食に対する変化
それは太平洋戦争で沖縄県がアメリカの統治下になったことが関係する。統治下になった沖縄県にはアメリカの食文化がどんどん入り、県民の中で「あじくーたー(味が濃いもの)」が好まれるようになっていく。すると沖縄県民は自分たちの料理の味をもっと濃くするために、さらにかつお節を大量に使うことにしたらしいのだ。たしかに沖縄には沖縄そばをはじめ、かつお節の風味が強い料理や、かつお節をふんだんに乗せた料理が多く存在する。とくに「かちゅ~湯」といわれる料理は、大量のかつお節と味噌、ねぎをお湯で溶かした簡単みそ汁で沖縄県民のソウルフードとも言われ朝食の定番だ。
堂々の1位は那覇市。その理由は長い歴史と毎朝のかちゅ~湯によって作り上げられているのかもしれない。旅行に訪れた際には、ぜひかつお節料理を通して沖縄の歴史に思いを馳せてみては?
出典元:家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング (2017年(平成29年)~2019年(令和元年)平均)