ローカルプロジェクトを始めてみたい、関わってみたいという人に向けたおすすめの本を知った後は、実際の事例に触れてみてはいかがでしょうか。場づくりや農福連携、教育、自然、ユニークなプロダクトなど、知らなかった地域の顔が見られる、そんなプロジェクトを集めました。
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10YC
「着る人も作る人も豊かに」というテーマを掲げて洋服づくりを行うブランド『10YC』では、買うだけでは終わらない、むしろ買ったところから関係性が始まるサービスを心がけている。例えば、染みがついたり色褪せてしまった服を、連携している染色工業で染め直すことでもう一度着られるようにしたり、着られなくなった服を下取りして、その価格分のクーポン券と交換してもらえる。大量生産・大量廃棄が問題視されているアパレル業界が抱える課題と、地域の工場や関わる人たちの生活までも考えられたサスティナブルな取り組みになっている。
HIKER
埼玉県草加市では、製造の段階で環境負荷を減らしたエコレザーを使用した革製品プロジェクト「彩さい鞄ほう」が注目されてきた。10余年を経て、新たなチャレンジの中から生まれたブランド「HIKER」は、草加市の革職人たちとクリエイティブチームが連携して行うプロダクトだ。使ってくれる人たちの生活のなかでともに過ごし、世代をまたいで使い続けられるようなプロダクトを目指している。また、キャンプなどのアウトドアシーンで人気の商品も多いが、インドアでも使えるような空間の垣根を越えたものづくりが特徴。経年変化によってしっとりと馴染んでくる革の質感を楽しんでみてほしい。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。