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場づくり・コミュニティ

連載 | NEXTSTAGE まちのプロデューサーズ2.0

逆転の発想で、世の中を「多様に」おもしろくする。

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目次

コピーライターという仕事を生かしつつ、いろいろな人が輝けるスポーツの場づくりを行っています!

お話を聞いた人

社会編集者 澤田智弘さん

横尾 今回ご紹介するのは、広告会社に勤めるかたわら、一般社団法人『世界ゆるスポーツ協会』(以下、『ゆるスポ』)の代表を務めるなど、ソーシャルな団体やプロジェクトを世に送り出し、いくつもの肩書きをもって活動している、澤田智洋さんです。年齢・性別・運動神経にかかわらず、だれもが楽しめる新スポーツ『ゆるスポ』をつくったきっかけを教えてください。

澤田 学校では「強みを活かしなさい」と言われがちじゃないですか。僕は逆で、「弱みにこそその人らしさが出る」と思っていました。ちなみに僕はスポーツが弱点。「選択肢の時代」と言われる中、高齢者も障害者も、もしくは僕みたいにスポーツが苦手な人も、みんな同じように楽しめるスポーツを開発し、もっとスポーツの選択肢を増やしたいと思いました。そのうちのひとつが、イモムシウェアを着ることでプレイヤーが全員「足が使えないという障害」の状態になる「イモムシラグビー」です。東京2020による追い風もあり、今では多くの自治体や企業から引き合いをいただいています。弱みを消さずに磨いておけば、いつか救われることがあるんです。

横尾 ちなみに、競技はどのように発想しているんですか。

澤田 「逆転の発想」や「新規性と共感性のバランス」が大切です。私たちがファシリテーターとして入り、コラボレーションする企業や組織の方々に、考えてもらうケースも多いです。一人一人の発想力を引き出す空気のつくり方や、適切な条件設定があれば、誰でもつくることができます。僕だけが何かを生み出すより、生み出す行為を多くの人にも体験してもらうほうが、豊かな社会づくりに役立つと思っています。子どもからお年寄り、障害者の方など、みんなが輝けるきっかけをつくれたらうれしいですね。

横尾 今では多くのメディアにも取り上げられ、イベントも引っ張りだこのようですが、始めた当初、会社の反応はどうだったんですか。

澤田 はじめは週末を使ってスモールスタートをしていたんですが、メディアや社会からの反響が多かったので、会社も応援してくれるようになりました。「社会に認めてもらい、その後会社に応援してもらう」という流れはほかのプロジェクトでも実践しています。

横尾 外部での活動が成功している中、会社に在籍し続ける理由は何でしょうか?

澤田 バックグラウンドが多様な人が、社内に大勢いる環境があるからです。何かを発想したら、すぐにそれぞれの分野で優秀な人に依頼して、最速で物事を解決するチームをつくることができます。とはいえ、ずっと同じ場所にい続けると、考え方が次第に凝り固まってしまうので、今の自分からはなるべく遠いコミュニティに顔を出すようにしています。

横尾 活動のモチベーションはどこからきているのでしょうか。

澤田 自分に自信がなかったような人が、僕らのプロジェクトを通じてピカピカに輝くようになる瞬間を多く目撃しているからです。僕は、光があたってない影に絶妙に光をあてる作業が好きなんです。周りからは「社会貢献」と言われますが、自分が幸せになれる。言ってしまえば、「自分貢献」ですよね。

取材後記

 とにかく楽しみながら、社会の課題を解決しようとしている澤田さんのモットーは、「明るく、楽しく、新しく」だそうです。「明るく楽しんでやるからこそ、仲間が集まる、だからこそ課題も早く解決されやすい」と語る澤田さんの取材で特に印象的だったのは、「今、社会にはさまざまな課題があるし、解決のために動いている企業やNPOはたくさんあるけれど、解決しようと動く人たちはいつも同じ人たちと、同じ分野で、同じことをやっている」という言葉でした。そこから、これからの社会に必要な職種を議論していると、澤田さんから「社会編集者」という言葉が出てきました。そして、「これから二人でそれを名乗ろう」と。これから僕も、「社会編集者」を名乗ることにします(笑)。(横尾)

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