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サスティナビリティ

食品ロス、地域観光、感染症…AIと共に社会課題に向き合うデータサイエンティスト集団「DATUM STUDIO」とは

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SupershipグループのDATUM STUDIO(データム スタジオ)株式会社。2014年の創業から事業拡大に取り組む過程で、2018年にSupershipグループにジョインし、組織としての大きな変化を経てデータサイエンティスト集団としてのバリューを発揮しています。
今回は最先端の技術と共に高度な課題へ向き合うDATUM STUDIOに、幅広い事業領域にAI・データ活用を広めていくための取り組みについて、執行役員 データソリューション本部 本部長鈴木氏、CTO光田氏の2人に話を聞きました。
目次

データサイエンティスト集団「DATUM STUDIO」とは

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飯野 DATUM STUDIOはAIを中心とするテクノロジーを用いて、企業のビジネスを支援するAIベンチャー企業とのことですが、これまでの経歴を教えていただけますか。また、データサイエンティストの業務とはどんなものなのでしょうか?

鈴木 DATUM STUDIOは2014年に創業し、2018年からSupershipグループにジョインしました。一言で言うと「IT」「AI」「データ」を扱うデータサイエンティスト集団です。
我々は、エンジニアリングとサイエンス、それにコンサルティングの掛け算でビジネスに持続的成長と新しい可能性を提供することを掲げています。企業の課題に応じて、すでに企業がお持ちのデータを拝見し、技術者の視点で加工することで価値のあるアウトプットを出していく、そのような事業を営んでいます。
「データサイエンティスト」という言葉はまだまだ新しく聞き慣れないかもしれませんが、具体的には、データ活用のためのプラットフォームを作るエンジニアリングのスキルと、数字を扱って課題解決に向けた示唆を出すサイエンスの手法、加えてコンサルティング的な視野を持ってビジネスにどう価値を出していくか。3つの専門的な知見を掛け合わせて、お客様の課題に寄り添いアウトプットを出していく、そこが私たちの「データサイエンティスト」のあるべき姿と考えています。

飯野 いわゆるAIベンチャーは受託が多いように思いますが、マーケットや企業、そして社会の課題解決までを担うというのは挑戦的であり、難易度が高いと思います。ちなみに、最近のトレンドではどんなものがありますか?

光田 「グループ会社のSupershipはマーケティングに関する事業を展開し、Web広告の配信プラットフォーム事業なども行っていますが、ウェブマーケティングでは大量のデータを取り扱うため、当社の事業とは非常に親和性が高いです。
データテクノロジーの領域では、異常検知やマーケティングでの取り組みが幅広く進められています。身近なところでいうと、auの契約者さん向けに、スマホだけでなく電気やECサイトなど別のサービスを使っていただくためのマーケティング施策を推進したり、フィンテック企業での顧客分析なども手掛けています。
その他、食品ロス対策として、外食チェーン店の需要予測にもMicrosoftのパートナーシップとして取り組んだりもしています。効率的な発注を行いたいというニーズはリテール業界でも高まっています。

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感染症対策にもAI技術。データとAIがビジネスを賢くする

飯野 業界やテーマを問わず、データを活用することで新たな価値を生み出しているんですね。感染予測もしているとか。

鈴木 コロナ前からの取り組みになりますが、自治体と共にインフルエンザの感染予測の取り組みを行っています。季節が変ることで感染者数がどのように変化するか、経年比較による傾向分析で予測し、感染対策や医療体制の整備に活かす、という取り組みです。

飯野 観光領域でもプロジェクトを進めているんですか?

光田 KDDIが提供するGPSを活用した位置情報ビッグデータを基に、分析・レポーティングさせていただく「Location Trends」という事業をKDDIと協業で展開しています。地方自治体の観光業や、商圏分析に使われています。今は、コロナ前後の行動変容がトレンドですね。きめ細やかに位置情報を取ることで、人流を把握したり、目的で異なる人の動きの把握など、KDDIの位置情報データは非常に精度が高いので、ニーズの高まりを感じます。観光業では、A地点からB地点に移る人の流れの分析や、宿泊場所、交通手段など、周遊分析を行います。それらのデータベースを基に、課題の抽出から、どこにどういう施策を打つべきなのかプランニングの立案、さらに効果検証を行えるソリューションとして根強いニーズがありますね。

パートナーと共に課題に対して最新のテクノロジーで最適な方法を追求する

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飯野 どんな領域でもデータで支援をできるのがDATUM STUDIOのすごいところですね。

鈴木 はい、クライアントの課題に寄り添い、最新のテクノロジーで最適な方法をご提供することが我々の価値だと考えています。
最先端で高度な課題に取り組むことと並行して、小さな企業や、IT化が進まない領域、例えば農業や製造業などへデータとAIの裾野を広げることを両軸で取り組んでいきたいと考えています。
クライアントが私たちに相談してくる最初の段階では、具体的な課題まで行き着いていなくても、こんなことに困っているなどの「漠然とした課題感」を共有いただいた上で、単純な集計で済むのか、高度なAIが必要なのかなどしかるべき方法で対処していくというやり方をしています。
固定的な『我々はこのやり方だから』ではなく、あくまでお客さんの課題感ありきで、柔軟にカスタマイズしていく。型に嵌めてしまう方が提供する側としては簡単なのですが、課題にフォーカスしないと本質的な解決にはつながらないと考えています。

飯野 いろんな相談でも多様にお応えできるっていうのは、相当な経験値と実績がないと出来ないことだと思います。

光田 去年あたりから、GoogleやAmazon、Microsoftなどともリレーションを作って、私たちのことをご理解いただき、新たなプロジェクトが生まれ始めています。

飯野 時代の変化にもいろいろと関わりながら、データサイエンスは今後重要なポジションを担うようになると感じます。改めてDATUM STUDIOのビジョンや今後の方向性を伺えますか。

鈴木 はい。『Unleash Your Possibilities(可能性を解き放とう)』をブランドコンセプトとして掲げています。
クライアントのビジネスにデータ分析・AIのテクノロジーを活用することで新たな価値を生み出したり効率化したりすることで企業の事業を加速させていきます。
新たな価値を生み出し続けるには、メンバーの知見をあげていくことが必須ですから、メンバーがしっかり成長していける土壌を整えて、しっかり価値提供できる会社であり続けたいと思います。

飯野 データサイエンティストの育成は、実際どのような形で行なっているのでしょうか?

光田 新卒・中途関わらず、スキルに応じて1ヶ月〜3ヶ月の研修期間があります。全ての領域を完璧にできる人はそうそういないので、得意な領域を伸ばしていき、幅広い力を身につけていけるような教育体制になっています。
データサイエンティストという職種自体が、10年も経っていないような新しい職種なので、学ぶ領域も広く、常に新しい技術を学び続ける必要があります。独学では一人前になるのは厳しいと感じますね。当社はメンバーが自発的に勉強会を開催したり、学び合おうというカルチャーがあり、手前味噌ですが、そこはいいところだなと。

鈴木 そうですね。本当、若くてヤル気があって学ぶ姿勢があるっていう人が多いですね。
私はもともとインターネット事業会社でサービスの開発・企画に携わっていたところからDATUM STUDIOへ転職しましたが、限られた企業のためだけにではなく、技術を軸に幅広くビジネスを底上げしていきたいという思いがある人には、とても向いている会社だと思いますね。
また、エンジニア、サイエンティストに加え、分析データをどうやって実際にビジネスに反映させるのか?というプロセスへの落とし込みなど、実務ベースでお客様とビジネスに寄り添えるコンサルタントのメンバーがいるのが心強いですね。大手のコンサルティング会社出身のメンバーが中心になって質の高いコンサルティングを提供できているところも我々の柱の一つになっています。
今後はグループとしてIPOを目指していく中で、メンバーがより一層成長できる仕組みや、クライアントへのバリューを発揮できる機会を増やしていきたいと考えています。

人が定着する組織だから蓄積されるノウハウ。チーム力で課題に向き合う

飯野 離職率がここ数年で大きく改善していると伺いましたが、何か取り組みをされているんですか?

光田 「毎月月末に組織の状態を測るサーベイを実施してスコア化していますが、この1年で急激に改善し、高止まりしています。実際に退職する社員も少ないです。

鈴木 そうですね。創業期はスタープレイヤーを中心にお客様を集めていましたが、最近のDATUM STUDIOは組織としての力を使って課題を解決していくという形に変わり、提供するサービスの質にもブレがなくなったと感じています。
創業当初は体制も整っておらず離職率は高かったのですが、Supershipグループにジョインした後、新たな組織体制に移行し、会社としても『皆が安心して長く働ける会社にしていこう』と制度や環境を整え、納得感のある評価ができるように、生まれ変わってきています。

単純に数字とか利益だけでは人はついてこない。働いてる仲間とか自分の人生設計において「将来の成長」があるからこそ楽しんで取り組める。
データサイエンティスト集団として、チーム一丸となり企業の課題を解決できる組織力に繋がっているのではないかと感じています。

人とAIの共存する社会を目指し、企業としてできること

飯野 今後、どんな社会課題を解決する会社になっていきたいでしょうか。

光田 我々はデータを扱う事業ですが、5年後、10年後はさらにデータ量が増え、今まで扱えなかった領域に関してもデータで価値を提供することができるようになるだろうと考えています。新しいものへのチャレンジは常に行なっていきたいですね。

鈴木 そうですね。AIに仕事が奪われるとか、使い物にならないとか、AIについては様々言われていますが、AIはうまく使えば非常に有用ですし、一方で人間を超えるというのは難しいとも感じます。過度に期待しすぎるでも失望するでもなく、フラットに捉えてバランスよく使っていくことで、もっと上手に効率良くビジネスが回っていくようになるのではないでしょうか。それが『人とAIの共存する社会』といえるかもしれません。我々は、技術の会社として未来へきちんと貢献していきたいと考えています。

飯野 ニーズに合わせ課題を解決できるように、人の手助けになるような支援をする会社なんだなと改めて感じます。その先には社会があります。地域・社会に対する便利さをこれから作っていく会社であり、スペシャリストを育てることで、自ら社会を変えようとしている会社だと感じました。ありがとうございました。

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