前号に続き、今月もアフリカ・ケニアから届いたシューズ寄贈のレポートです。 今回は、タンザニアとの国境近くの町で学校運営などを行うNGO、また、ナイロビで貧しい家庭の子どもたちへの医療支援を行うNPOが、現地で行ってくれた寄贈です。
アフリカでのシューズ寄贈レポート。
今回も、アフリカから届けられた喜びの声を伝える。まずは、タンザニアとの国境近く、キリマンジャロを望む町・ロイトクトクで、学校の運営などを行うNGO『ウシリカ・インターナショナル』代表・矢野敏行さんからの寄贈レポートである。「私たちの団体ではこれまで8年間、この地で幼稚園と小学校を運営しているほか、貧しい家庭のお母さんへの農業支援や家畜飼料の支援、若者への仕事の紹介なども行っています。どの家庭も子どもに年に足のシューズを買い与えることができるかどうかの厳しさです。それだけに、彼らは日本からのシューズ寄贈を楽しみにしていました」
昨年末、300足のシューズが子どもたちに渡された。シューズの中に入れられた、「大事に使ってください」「いっぱい遊んでね」などという日本の子どもたちからのメッセージを伝えると、子どもたちは笑顏で応えたという。「彼らにとってシューズはクリスマスや誕生日のプレゼント以上にも匹敵し、手にしたものを日曜の教会用にしようかどうかと話したり、うれしそうでした。彼らは日本の子どもたちのやさしさに接し、交流したがっていました」。まさにそれが実現する日を願ってやまない。
スラムで感じた、コミュニティの絆。
ナイロビでクリニックを開く、NPO法人『チャイルドドクター・ジャパン』の塚原朋子さんからも心温まる報告がきている。同団体はスラ ムや孤児院で暮らす子どもたち、脳性麻痺や心臓疾患などを抱える子どもたちなど、社会的に弱い立場の子どもたちに医療サポートを行っている。塚原さんは、ナイロビにあるスラムの中でも特に貧しい家庭を一軒一軒訪問し、シューズ配付を行ってくれた。
「シューズを受け取った子どもも、その家族も、素直に心から喜んでくれます。シングルマザーのもと、6人の兄弟と従姉妹と暮らす男の子は、うれしさのあまり、シューズに頬ずりまでし、さらに踊って喜びを表現していました。その後、その男の子は、寄贈用の足のシューズが入った袋を担いでくれ、2日間にわたって配布を手伝ってくれたんです」また、母親が留守だった家庭では、お隣さんが留守番の女の子のためにどのシューズが合うか、学校に履いていくのに何色がいいかなど、一緒になって選んでくれたという。スラムの住民たちには、お互い助け合う素晴らしいコミュニティが息づいているのを感じたという。
「特別養護施設の子どもたちにも渡しました。そこでは脳性麻痺で歩行のリハビリを日々、行っている子もいます。笑顏でシューズを受け取ってくれましたが、このシューズを履いて歩き回れる日がきたらうれしいですね」シューズは、子どもたちがすぐに履いて生活するだけのものではなく、重度の障がいがある子どもにとっては辛いリハビリを促す役割もあった。シューズのまた新たな可能性を教えられた。