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サスティナビリティ

特集 | SDGs入門~買い物から地球環境を考える!~

『ONIBUS COFFEE』オーナー・バリスタ・坂尾篤史さんの「買い方」

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身の店舗で、豆の品質や持続可能性が高いスペシャルティコーヒーを提供する坂尾篤史さん。お店の見極め方や買い物の仕方のほか、ゴミをつくらない新しいテイクアウトサービスへの思いを聞きました。

目次

買い方の3つのPOINT

「プラスチック容器=悪」と安易にとらえず、柔軟に。強度を考えると、実は優秀な素材でもある。

お金を使うことは「投票のような行為」だととらえ、お金の動きがイメージしやすい近隣の個人店などから始めてみる。

お店のカトラリーや内装などにどのような素材が使われているかチェックし、お店の考えやスタンスを知ろう。

自分の本当の意思で選択し、会社や商品について調べる。

僕は、繰り返し使えるカップを複数の店舗でシェアするサービス「CUPLES」を運営しています。使い捨てカップの代わりに「CUPLESカップ」でテイクアウトをし、飲み終わったカップは買ったお店などの加盟店に返却するというサービスです。加盟店は現在50店以上あります。地球環境への配慮はもちろん、東京のスペシャルティコーヒー・シーンを盛り上げたいと考えて始めました。
実は、この「CUPLESカップ」には、プラスチックを採用しています。リリース前にバイオプラスチックも調べましたが、何回使えるかという実証データが少なく、コストがけっこうかかると分かったのです。食器洗い乾燥機で繰り返し使い、いろいろなお店を渡り歩くという強度を考慮すると、プラスチック製カップは優秀でした。100回使うことができ、プラスチック素材に戻す再利用も可能なのです。僕は「プラスチック容器=悪」ととらえず、柔軟に考えることにしました。このようにやっていきたいことと現実の間で揺れることはありますが、ポジティブに考えてトライアンドエラーを繰り返すことも大切です。
テイクアウトを含め、いいお店をどう見極めるかは、分かりやすい基準はありませんし、難しいところだと思います。僕の場合は、「CUPLES」の活動で近しい考え方をする店舗とのつながりが生まれたこともあって、できるだけ近隣の個人店や友人・知人のショップなどを選んでいます。お金を使うことは「投票のような行為」だととらえていて、知っている範囲からお金を回したほうがお金の動きがイメージしやすいからです。
身近なショップではない場合は、その企業や店舗がどういう活動をしているか調べるといいのではないでしょうか。ネットでは自分にフィットする広告が表示されることが多く、衝動買いをしやすい仕組みになっているので、安易に流されないよう実際に買うまでのプロセスを設けています。「本当に自分の意思で選択しているのか」と考え、時間をかけて会社や商品について調べてから、納得すれば購入するのです。店舗へ足を運ぶ機会があれば、その空間をじっくり見ます。具体的には、飲食店だったらカトラリーやお皿は何を使っているか、内装の素材は木、タイル、土など何なのかと、商品以外の細部をチェックするのです。特に内装はアップサイクルを表現しやすいところです。ストーリーや意思を感じられるところを応援していきたいですね。
 (203710)

さかお・あつし●会社員を経て約1年間海外の旅へ。オーストラリアでカフェに魅了され、帰国後、バリスタの世界チャンピオンの店舗でコーヒー豆の焙煎やバリスタを学ぶ。2012年に独立し、東京都世田谷区にコーヒーショップを開設し、現在は7店舗を経営。
text by Yoshino Kokubo illustrations by Yuka Hashimoto
記事は雑誌ソトコト2023年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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