薪に憧れる。
11月初め、高知県香美市物部町大西地区の神祭がとり行われる。ご祈祷に餅投げ、地域内外から集まる人たちへのお接待。地域のあらゆる食材を使ったごちそうと、もちろんお酒も振る舞われる。前日はお宮の掃除、お接待料理の下準備と餅投げ用の餅つきなど。大忙しということで、お手伝いを兼ねてお邪魔した。
平野部から山道を小一時間。お宮のそばではすでに煙が立ち、どんどんもち米が蒸されていた。にわか者の私もつきたてアツアツのお餅の塊から適当な大きさにねじりとり、形成。風通しのいい日陰でしばらく乾かす。高知では餅投げは総じてゲットできたらラッキーというレベルではなく、袋持参での参加が基本なのだが、例に漏れず、「痛いほど餅が飛んで来る」。中には玄米餅やあんころ餅も交じっている。
神祭前夜、準備に関わった人たちみんなで夕食を摂り、お風呂をいただいた。山から引いた水を薪で沸かしたお湯に、じんじんと体が温まるのを感じた。
薪ストーブで蒸され、作られたお餅は、焼いて汁物に入れても、頼りなく溶けてしまったりはしない。煮ても焼いても堂々たる餅っぷりだ。