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家族で移住した南房総で地域おこし協力隊員に。サイクルツーリズム推進スタッフとしての日々

仕事・働き方

家族で移住した南房総で地域おこし協力隊員に。サイクルツーリズム推進スタッフとしての日々

鍋田ゆかり

鍋田ゆかり

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「地域おこし協力隊の存在は知っていたけど、まさか自分に当てはまるとは思っていなかった」という高木創史さん。そんな彼が千葉県南房総市へ移住し、どうやって地域おこし協力隊員になったのか、実際にどんな活動をしているのかを聞いてみました。

写真提供:南房総サイクルツーリズム協会

目次

きっかけは、市が行っていたトライアルステイ事業

2021年、都内で宿を経営していた高木さんは、就学前の息子2人との4人家族でした。都内の宿と行き来できる場所での移住先を探していたとき、南房総市内にある一軒家に寝泊まりして移住後の暮らしを体験する、トライアルステイ(お試し移住)事業のことを知り、申し込みます。
 

トライアルステイ事業は、2023年度から館山市と南房総市の2市にまたがる事業になり、2024年度も実行予定
トライアルステイ事業は、2023年度から館山市と南房総市の2市にまたがる事業になり、2024年度も実行予定。写真提供:南房総市トライアルステイ事務局

一次審査を通過し、web面談でヒアリング後に最終審査を通過して、市内に滞在しながらトライアルステイ案内人のガイドで地域を巡りました。そのとき訪れたのが、旧平群(へぐり)保育所にできた複合施設「Heguri Hub(ヘグリハブ)」です。

クラブハウス、食堂、コワーキングスペース、ゲストハウス、キャンプ場を有するHeguri Hub
クラブハウス、食堂、コワーキングスペース、ゲストハウス、キャンプ場を有するHeguri Hub

施設を運営しているのは、元地域おこし協力隊員だった瀬戸川賢二さん。南房総市インバウンド観光プロデューサーとして活動した経験を持つ瀬戸川さんに出会い、地域おこし協力隊という選択肢があることを知ります。

高木さんは海外の高校を卒業し、都内の宿では多くの外国人宿泊客を受け入れていました。ヘグリハブにはゲストハウスやキャンプ場があり、サイクリングや登山などのアクティビティをいかしてインバウンドにも力を入れていて、働き手を探していたので、高木さんは都内と行き来しながらヘグリハブでアルバイトをすることに。

左から、瀬戸川さんと高木さん
左から、瀬戸川さんと高木さん。

秋ごろ、広範囲にサイクリストの呼び込みを図るために、地域おこし協力隊員の募集がありました。書類を提出して面接を受けた高木さんは、2023年1月、サイクルツーリズム推進スタッフとして活動を開始することになりました。

南房総のよさを体感できる、コラボイベントの実施

地域おこし協力隊としての活動内容は、サイクリングイベントの実施やサポート、サイクルラック設置の取り組み、レンタサイクル事業、Heguri Hubのゲストハウスやキャンプ場の管理など、多岐に渡ります。なかでもやりがいを感じているのは、バイク&カヤックのコラボイベントと、ヘグリハブで行うマルシェの開催だと高木さんは言います。

「バイク&カヤックのコラボイベントには、シーカヤックやサイクリング初体験の人が参加してくれて、南房総にも興味を持ってもらえています。マルシェも、ローカルの人と移住者の交流の場になっていて、人との出会いの起点になっているのがうれしい」

バイク&カヤックのコラボイベントの様子
バイク&カヤックのコラボイベントの様子。 写真提供:南房総サイクルツーリズム協会

そんな高木さんが目指すのは、バイク&カヤックのような自転車と他のアクティビティや体験を組み合わせたイベントの開催です。南房総には、自転車で海にも山にも行ける環境があります。この恵まれた環境をいかして自然を満喫しながら、自転車以外のアクティビティを組み合わせて、より南房総を楽しんでもらえる企画をつくること。また、移住希望者向けにHeguri Hubのゲストハウスをいかした1泊2日のサイクリングプランなども企画する予定です。

高木さんは音楽が趣味で、アフリカの弦楽器である「コラ」を生演奏して、ヨガの講師である妻の真由子さんがヨガを指導するイベントも開催しました。雑念にとらわれず五感に意識を集中させて、現実をあるがままに受け入れる「マインドフルネス」の、講師資格を持つ真由子さんとのコラボや、子ども向けイベントの企画も今後やりたいことの一つです。

コラを生演奏したヨガ
コラを生演奏したヨガ。 写真提供:Heguri hub

地域おこし協力隊は、田舎移住への近道?

任期は、最大3年まで延長できる地域おこし協力隊。現在2年目の高木さんが目指す、最終目標は何でしょうか。

「将来的には、南房総で自分らしい形での宿をやりたい。サイクリングもいかしてレンタサイクルやガイドもやったりして。自然体験は需要があると思うので、火をおこして料理をして食べるような体験もできるようにしたいです」

高木さんが企画したサイクルイベントの参加者たち。
高木さんが企画したサイクルイベントの参加者たち。 写真提供:南房総サイクルツーリズム協会

移住を機に、地域おこし協力隊のことを知って挑戦し、見事採用された高木さんは言います。

「地域おこし協力隊はいいオプションだと思う。仕事がネックになる田舎への移住で、任期中にできることを見つけて叶えられる時間にもなる。自分がやりたいと思う協力隊の募集があれば、挑戦したらいいと思います」

南房総へ移住後、3人目の息子が生まれた高木さん。仕事に育児にと忙しい日々ですが、合間に子どもたちと海へ行ったり、サイクリングをしたりと田舎暮らしを満喫しているようです。

美しい里山エリアにあるHEGURI HUBだが、車で10分走れば海に出る
美しい里山エリアにあるHEGURI HUBだが、車で10分走れば海に出る。 写真提供:南房総サイクルツーリズム協会

■地域おこし協力隊として勤務している複合施設
HEGURI HUB:https://hegurihub.com/

■高木さんが運営している都内の宿
GOEN inn Tokyo:https://goen-inn-tokyo.com/

■2024年度館山市・南房総市トライアルステイ事業
館山市:https://www.city.tateyama.chiba.jp/shoukan/page100574.html
南房総市:https://www.minamibosocity-iju.jp/news/2962/

写真:南房総サイクルツーリズム協会、写真提供:南房総市トライアルステイ事務局、Heguri hub、鍋田ゆかり ※順不同
文:鍋田ゆかり

家族で移住した南房総で地域おこし協力隊員に。サイクルツーリズム推進スタッフとしての日々

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