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田舎暮らしで大活躍! もみ殻の入手と利用方法

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連載 | 犬猫ヤギと古民家と私。~From 安房暮らし Our life ~ | 14

田舎暮らしで大活躍! もみ殻の入手と利用方法

鍋田ゆかり

鍋田ゆかり

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南房総で古民家を改修しながら、ちょこっと庭いじりもやって、コンポストトイレを利用しているわが家。そんな暮らしのなかで大活躍しているのが、“もみ殻”である。もみ殻って何? どうやって手に入れて、何に使うの? という人に向けて、わが家での入手と利用方法についてまとめてみた。

目次

“もみ殻”とは

もみ殻はお米の外側にある皮の部分で、収穫したお米を持ち込むライスセンターでもみ摺りをして、玄米にする行程で発生する。ライスセンターによっては、大きな袋に詰めて数百円で販売しているところや、トラックに山盛りにして、大量に引き取ってくれる牛舎へ運び込んでいるところもある。ライスセンターが稼働すると次から次へと大量に発生するので、もみ殻が溜まる場所もどんどん空にしていく必要があるのだ。そのため、どちらかというと「持って行ってくれるなら助かる」という代物だと思われる。

もみ殻
ライスセンターのもみ殻が溜まる部屋で、箕やスコップを使ってもみ殻をフレコンバッグへと入れる。

センターによっては、「そんな少量をちまちまとやられても困るから、軽トラで一気に持って行ってほしい」といわれることもある。軽トラを持っていない私の場合は、「いつでも取りに来ていいよ」と言ってくれるライスセンターで、山盛りのもみ殻を「フレコンバッグ」と呼ばれる軽量で折り畳み可能な大きな袋に入れ、軽自動車に積んで持ち帰っている。もちろん、無料である。

軽自動車にもみ殻

家畜小屋やコンポストトイレにもみ殻を

万人向けではないが、わが家でまず活躍したもみ殻はコンポストトイレだった。コンポストトイレの場所や特徴によって、使用後に入れるものは米ぬかがいいとか、おが屑がいいとか、落ち葉がいいとか意見はいろいろある。使えるトイレがなかった“無い無い古民家”に越してきた当初、友だち宅にあったバケツ式コンポストトイレを借りてきて、友だちが使っていたもみ殻を私も使用していた。

併せて読みたい!
“無い無い”古民家暮らし。 超かんたんコンポストトイレ[トイレ編]
使える風呂なし、トイレなし、キッチンなしの無い無い古民家で、ヤギの「ひじき」と一緒に暮らし始めた6年前。私の周りには、コンポストトイレを設置して使っている人たちが何人もいた。いろんな人のコンポストトイレを見学させてもらいながら、わが家にコンポストトイレを設置したときのことを振り返ってみる。 

もみ殻を、ニワトリ小屋に敷き詰めておく人も多い。もみ殻は水分を吸いにくいので、糞尿が分離されやすく、異臭を放ちにくいそうだ。個人宅で牛を飼っている人はなかなかいないと思うが、牛舎でも同じように使われているらしい。

ニワトリ小屋

ニワトリ小屋を掃除した際は、糞尿ともみ殻を一緒にコンポストステーションに入れるか、直接畑に入れてもいいだろう。わが家のコンポストトイレはコンポストステーションで熟成され、最終的に育苗するためにポットに入れて使ったり、作物を定植するときに一緒に入れたりして使っている。自分の口から入って出たものが、作物の栄養となってまた自分の身体に入ってくる。正に、“循環”である。

家庭菜園や家の改修でも大活躍

もみ殻の簡単な使い道その一は、土の中にすきこんで土壌改良として使う。もともと田んぼだった場所や、水はけがよくない畑にすきこむことで、水はけの改善が期待できる。また、定植した作物の周りにもみ殻を敷き詰めることで、雑草を抑えることができるし、夏の強い日差しや冬の寒さから作物を守る効果も。

家の改修では、断熱材の代わりにもみ殻を使うことも可能だ。泥ともみ殻を混ぜて壁の中に入れている人もいるが、わが家では床下にもみ殻を入れてみた。

床下断熱にもみ殻
竹炭ともみ殻燻炭を同時に作ったこともあったため、竹炭も一緒に入れてみた。

もみ殻をそのまま入れると虫が発生しやすいといわれており、それを防ぐために唐辛子を一緒に入れたり、石灰ともみ殻を混ぜてから入れたりする人も。わが家はもみ殻燻炭にして入れてみた。あれから2年以上経つが、特に虫は発生していない。

もみ殻燻炭を作ってみよう

もみ殻燻炭は、ホームセンターや直売所などで販売しているのを見かけるが、床下断熱に使うとなるとその量もかなり多くなるので、購入していたらけっこうな金額になってしまう。ここはやはり、農家さんを見習って自作するのが一番だ。

用意するもの
・乾燥したもみ殻
・もみ殻燻炭器
・焚き付け
・水
※風が無い日に、周囲に燃えるものが無い場所で安全に注意しながら自己責任で行ってください

①安全な場所で焚き付けに火を点け、もみ殻燻炭器を被せる

もみ殻燻炭器

②もみ殻燻炭器の周りにもみ殻をかぶせる

もみ殻燻炭作り

③もみ殻が黒くなったら、スコップで全体を混ぜる

もみ殻燻炭作り

④全体が黒くなったら、燻炭器を取り除いてもみ殻燻炭を平にする

もみ殻燻炭作り

⑤もみ殻燻炭は再燃しやすいので、たっぷりと水をかけて鎮火させる
⑥翌日袋などに詰めて保管
※再燃しやすいため、すぐに建物の中で保管すると火災の原因になることがあるので、十分注意してください

もみ殻燻炭は、もみ殻同様土壌改良として土にすきこんだり、ニンジンや稲の種を蒔いたあと、覆土の代わりにもみ殻燻炭で覆ったりするのにも使っている。

ちなみに、もみ殻燻炭を作りながらもみ殻の中に濡れ新聞紙とアルミホイルで巻いたサツマイモを偲ばせて、おいしい焼き芋を作るのも楽しみの一つである。

余談だが、昔は「ぬか竈(ぬかくど)」というものでご飯を炊いていたそうだ。

ぬか竈(ぬかくど)

これは、もみ殻を燃料にしていて、火の番をせずとも放っておいたらおいしいご飯が炊けて、おまけにもみ殻燻炭まで手に入っちゃうという優れモノ。今でも販売しているところがあるが私にとっては高額なので、どうにか自作できないかと思いながらできずに今に至っている。

写真・文:鍋田ゆかり

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