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ソトコトペンクラブ

1年分のキノコを採って食って遊ぶ話

永井弘朗

永井弘朗

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どうも、千葉県南部で便利屋してる人です。前回は『なんでも屋が感じる田舎の2025年問題』なんて大層なタイトルの真面目記事を書いたのですが、思いのほか共感の声が多く、大変、嬉しくて……。この調子で今後も真面目に日々感じております田舎のリアルな話を書き連ねようと思います……なんて重っ苦しい雰囲気は、はっきり言って肩がこるのでたまに書くくらいにしときます。

目次

季節の変わり目はキノコがよく採れる

千葉県南部は8月下旬に数日間にわたり雨が続いたのですが、台風後は一変して気温が上昇しての蒸し暑い日々が数日ありました。キノコ採りに対し、趣味というには熱を入れ過ぎている自分はこの時を逃すまいと、仕事を早く終わらせ山に繰り出します。

千葉で食べれるキノコを探すなら、クヌギ、コナラ、マテバシイなどのドングリ山で探すのがオススメ。

台風後、波が良ければサーファーは海へ。晴れ日が続くと山男は森へ行くわけですが、山男は女性には目もくれず一途にキノコを探し求める。それはきっと足元を見ているからというのはさておき、千葉県には古くより炭焼きに使われていた里山が多く、写真のような根本から枝分かれしたクヌギ、コナラ、マテバシイといったドングリの樹からなる薪炭林というのが多くある。

こうした森の、風通しがよく西日が当たる場所を探すのがキノコ採りのひとつのコツで、慣れてくると森の匂いで分かるようになってくる。少し甘みのあるコルクのような匂いがしたりするのだ。

稀にこうしたキノコの道(フェアリーリングの一部)に遭遇するとテンションが上がる。

今年は特にキノコが多かった……


最近は極端な雨の降り方が多いものの、自然のサイクルとは不思議なもので、キノコには明確な気配がある。

千葉県南部での今年最初のキノコの発生は6月下旬の1週間ほど雨が続いた後の3日目が夏のキノコの到来だった。それと同じサイクルが8月下旬にもあり、野生の感から車には常に山歩きの装具を常に持参していた。というのも、キノコは予想が当たればアホほど採れる。それこそ毎日食べても消費しきれないくらい採れたりするのだ。

干しかご3台では収まりきらず8畳部屋に限界までスライスしたキノコを広げ乾燥させる5年前の自分。

寝ても覚めてもキノコの香りが家中に漂う毎日。これが山男がモテない理由です。

今年採れた美味しいキノコを紹介

ここからはモテない山男が、精一杯の色気とあふれる食い気を出しながらのキノコの紹介。ただ、あくまでもここでは紹介であって、写真だけ見てキノコを知った気になって拾い食いをすると、毒キノコに大当たりとかとんでもないことになりますので、名前を参考にご自分でよくお調べください。

キノコには、有毒種と食用種がよく似ている例がいくつもあります。キノコ狩りや山菜採りに豊富な経験を持つ人でさえ、毒キノコや有毒植物によって食中毒を起こした例があります。そのため、知識や経験の浅い人は、自分の判断だけでキノコや山菜を採取したり食べたりすることは絶対に避けてください。慣れた人でも、常に慎重な判断を心掛け、少しでも不安が残る場合は、絶対に採取しないようにしましょう。
参考:キノコ狩りや山菜採りなどで毒のあるキノコや山菜などにご注意を!うっかり食べると食中毒に
出典:あしたの暮らしをわかりやすく 政府広報オンライン

ヤマドリタケモドキ

イタリア料理で有名なポルチーニの近似種。香りがよく、和食、洋食と共に合うキノコ。

アカヤマドリ

ヤマドリタケモドキと並び千葉県南部では昔からよく食べられていたキノコ。汁物で食べられることが多く、独特なとろみと食感が人気。ドングリ林と針葉樹林との交雑林に生えることが多い。

ムラサキヤマドリタケ

見た目からは想像がつかないが、とても美味。こちらはカシ系の樹木の下に生えてるのをよく見かける。個人的な好みとしてはラム肉等の癖の強い肉との相性が良く、イノシシやシカといったジビエとの相性も良い。

ノウタケ

焼きたての食パンような見た目で、生えて間もない幼菌を食べる。出汁がとても美味しいのだが、味が強すぎるため入れる量を間違えるとほぼノウタケの味しかしなくなってしまう。大量に消費したい人はカレーに入れるのがオススメ。

チチタケ

栃木で大人気で古来より出汁が美味いと蕎麦の出汁に使われていたキノコ。名前の由来でもある特徴として、傷をつけると乳液状の汁を出す。近似種も多く、慣れてないと手が出しにくい。

タマゴダケ

イタリア料理でよく使われる高級キノコ。味はウニのような濃厚な味わいにとろみがかった感じなのだが、食感は歯切れがよく、どんな料理に使っても基本的においしくなってしまうキノコ。名前の通り、地中では卵のような状態で育ち、上部を割って地上へ育つ特徴がある。見た目は食べると体が大きくなるあのキノコに見えるが、こちらは軸が黄色でややストライプ模様があり別種。

ちなみに余談だが、体が大きくなりそうなキノコのモデルはテングダケというキノコ。猛毒なうえに幻覚作用がある。つまりあれを食べた配管工は、強い幻覚作用により強くなったような気がしているだけなのかもしれない。

タマゴダケの仲間はそのほとんどが毒でありちょっとした公園や神社にも生えていることがある。間違っても食べてはいけないよ……。

食べれないが面白いキノコと珍しい植物

アンドンタケ

見た目通り行燈(あんどん)のような色合いをしているキノコ。原稿を書きながら知ったことなのだが、このアンドンタケ、日本全国での公式の目撃情報は100年で10か所以下。そのうち千葉県での公式目撃情報は僅か4件と激レアで今回の自分の発見で千葉県では5件目となることがわかった。

やべぇ……。博物館レベルの発見だったとは知らなかった……(笑)。

ツチアケビ

アケビと名前は付いているが、ややこしいことにランの仲間。キノコではない。はっぱを持たないため光合成をすることがなく、地中の菌類から栄養をもらって成長する。完全な里山ニートである……。

食べられるけど美味しくないキノコをあえて食べてみた

どうしようもない奴(キノコ)がいる……。

そいつは見た目は大きく、何もない草地に一夜で突如出現するという不思議なキノコで、名はオニフスベという。

刈払機の刃 25.5㎝と比較してもこの大きさ。
まぁサングラスがよく似合うこと。イケメンである。

このオニフスベ 昔から食べられることは知っていたのだが、美味しくないで有名 だったことから食べないでいましたがこのサイズを見つけたからには食べないといけない気がしまして……多分、いや完全に気の迷いだったのだが、家で調理することにした。天国の母も昔から好き嫌いはいけませんとは言っていたが、まさかこんなものを食べるとは思わなかっただろうな。

とりあえず洗ってフライパンに入れてみたが、うん、これはヤバいね。もう料理しているのかすら怪しい。

でもとりあえず厚めにスライスして焼くことは出来るのはサイズで分かったので、バター醤油、ガーリック黒コショウ、ペペロンチーノ風の、キノコなら鉄板の味付けを試みてみた。

野生のパンケーキ そのお味は……

インスタ映えを狙ったわけではないが、ありそうでなかった感、絶妙に外してる感がなんかいい。これ食ったら間違いなくお腹一が杯になるだろうなと思いながらさっそく一口食べてみた……。

結論から言うと、すべて同じ味だった……。

焼かれた部分が固くなり味が染み込んでいない為か、バター醤油、ガーリック黒コショウ、ペペロンチーノと3種の味で調理したが口に入れた途端、どれもこれも味のないキノコ臭いスポンジなってしまう。

味はというと、どう説明すればわかるだろうか……。

やったことはないが、ぶなしめじやエノキの根元(石突)を水で溶いて、紫外線でやや劣化したスポンジに汁を吸わせると、きっとこの味は再現できるかもしれない。

つまりは、不味いということだ。

うーん・・・残念・・・

最後に……

菌類のうち、種として判明されているものは地球全体でいったら約2万種。そのうち日本でキノコとして言われているものは5000~6000種と言われており、更にそのうちの100種類は食用といわれ、200種は毒キノコと言われている。

未だに新種は見つかるし、図鑑に載ってないけど変わり者界隈で食われはじめてるキノコなんてのも出現していたりと謎が多い。ただ、キノコを通して自然を見てみると、そこには自然の循環。システムとは違うサイクルが見えてくる。菌類が動物や植物などの有機物を土に変え無機物を作る。それを栄養に植物は育ち、木は森になり動物が集まる。食物連鎖が出来てやがて動物は死に土に還る。地球が地球であるためのルールがそこのはあり、それは人間も同じだ。

そんな素敵な場所にお邪魔するきっかけに、この記事が役に立てばと思います。

友人とキノコ狩りツアーを企画して1日でこれだけ採れると踊りたくなる。皆で美味しく頂きました~。

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