ソトコトの連載「生命浮遊」でおなじみの福岡ハカセが訳者をつとめた『ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論』。世界を変えたダーウィンの名著を、美しい絵と文章でわかりやすく語りなおした、大人もこどもも楽しめる科学絵本です。
知ってるようで知らない「進化論」
誰もがきっと耳にしたことがある「進化論」。
なぜ生きものは環境にあわせて、さまざまな見かけや性質を身につけることができるのか?
ある生きものが絶滅して、ある生きものが生き残るのはなぜか?
生命にまつわるたくさんの「なぜ」を紐解いたダーウィンの「進化論」は1859年に出版された『種の起源』の中で著され、激しい論争を呼び起こして世界を大きく変えました。
でも実際に『種の起源』を読破した経験がある人は決して多くはないのでは?
この『ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論』ではやさしく翻訳されたダーウィンの言葉と、著者のサビーナ・ラデヴァさん自身が手がけたポップなイラストで「進化論」のエッセンスを楽しみながら学ぶことができます。
『ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論』のこだわりポイントって?
世界中で話題を集めている『ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論』(原書名:DARWIN”S ON THE ORIGIN OF SPECIES)ですが、日本語版ならではのこだわりポイントがたくさんあるとのこと。出版元の岩波書店さんに教えていただいた、そんな数々のこだわりをご紹介します。
- 日本語版の目玉は、なんといっても福岡ハカセの訳者あとがきです!子どもの頃は当たり前にあったセンス・オブ・ワンダーを、おとなになっても持ち続けることの大切さがあらためて心に刻まれます。ダーウィン、ラデヴァさん、昆虫少年だったころの福岡ハカセという3人のナチュラリストが、時代や空間を超えてつながっているように感じました!
- 日本語版もうひとつのこだわりは、「おすすめする本」です! 原書では3冊しか挙げられていなかったので、福岡ハカセとご相談のうえ、日本で現在入手できるダーウィンや進化論をもっと深く知るための本をたくさんあげました。初版時にはまだ邦訳が出ていなかったため泣く泣くリストから外したGrandmother Fishという絵本があったのですが、その後、なんと恐竜博士・真鍋真先生の翻訳で『わたしはみんなのおばあちゃん』というタイトルも出版が決まり、重版分の2刷以降のリストには追加しています。
- 生物学用語を巻末の「用語一覧」で説明しています。福岡ハカセから「これから生物学や科学に興味をもつ子どもたちのために、日本語訳だけでなくもとの英語も併記しましょう」とご提案をいただきました。とても細かいこだわりなのですが、このおかげで、これから生物学を専攻する学生にも役に立つような用語集となったのでは、と思っています。
- 海外で製本を行っているため、イラストの位置や吹き出しの大きさ、文字を入れるスペースを日本サイドで触ることができませんでした。福岡ハカセにもなるべく短く、でもわかりやすく翻訳いただくというご無理をお願いしました。
- 手描き風の書体DarwinNewはラデヴァさんの描き文字から、この絵本のために作成された英文書体なのです! 日本語版では、最初の見返し裏の英文クレジット表記で使用しています。ぜひ原書の雰囲気を味わってください!
「ダーウィンの進化論は生物学の基本中の基本。そしてすべての人にとっての教養です。」―福岡ハカセ
日本語版ならではこだわりポイントがたくさん詰まった『ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論』。
「DNAと遺伝子」、「比較発生学」といったちょっと難しい用語も丁寧に解説されていて、こどもから大人まで幅広い世代で楽しめる一冊。この夏の読書にオススメです。
ダーウィンの「種の起源」ーはじめての進化論
サビーナ・ラデヴァ 作・絵
福岡伸一 訳
刊行日:2019/04/23
ISBN:9784001126785
A4変型・カラー・64頁
定価:本体2,300円+税
出版社:岩波書店