みなさんは日頃から「農」に関わっていますか? 都市部に住んでいる人たちには少し縁遠いかもしれませんが、「農業や農的なものに興味がある」「農業に関わりたい、応援したい」と思っている人は少なくないはず。そんな「農」をより身近に感じられるプロジェクトに加え、人気の「農系ポッドキャスト」を集めてみました。
目次
Food Hub Project
徳島県・神山町を舞台に行われている「Food Hub Project」は、神山町役場と地域の企業などが合同で行っているプロジェクトで、農家の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加などの問題解決に向けた取り組みを行う。「地産地食」というキーワードを掲げ、まち全体で「育てる」「つくる」「食べる」「つなぐ」を循環させることで、この土地の農業や食、暮らしを未来につなげていくことも目的としている。後継者の育成のほか、「地産地食」の場として、地域の食材をふんだんに使った食堂『かま屋』、パンや食品を販売する『かまパン&ストア』も運営している。
宙農
『TOWING』代表取締役の西田宏平さんが、弟の亮也さんらメンバーと進めている「宙農」は、自社で開発した「高機能ソイル」と呼ばれる人工土壌を活用した栽培システムを提供している。高機能ソイルは、従来は単体では土壌として使えなかった植物の炭やスポンジなどの多孔体に微生物を付加して、高効率かつ持続可能な次世代の農業ができる良質な土壌として使用できるようにしたもの。このプロジェクトは、文字どおり「宇宙×農業」をテーマとして、高機能ソイルを活用した宇宙での農業の実現、地球上での農業システムの発展と課題解決を目標に技術の開発や普及を進めている。
磐梯さとやまの慧み
福島県・磐梯町で行われている「磐梯さとやまの慧み」は、環境保全型の農業にこだわったプロジェクト。一般的な農法に比べて、高品質・高収量・高栄養での作物栽培が可能になるとされている、「BLOF理論(生態調和型農業理論)」という栽培技術に基づいて、2021年からスタートした。その場所の自然環境に適した、環境負荷の少ない効率的な栽培方法を実行していくことで、地域での持続的な農業の確立を目指した取り組みになっている。同年の夏からトマト、米、リンゴなどで栽培をスタートしていき、今後もさまざまな作物に応用していく予定だ。
こくベジプロジェクト
東京都国分寺市は、都内でも農業が盛んなまち。江戸時代中期の新田開発がきっかけとなり、約300年にもわたり市内全域で脈々と農業が受け継がれている。そんな国分寺市で農家が栽培した農・畜産物を「こくベジ」としてブランド化。また、植木の生産も盛んに行われていることから「植木の街」とも呼ばれ、野菜などと併せて植木のブランディングも行っているが、特徴は「こくベジ」ブランド商品を販売する直売所の数。農作物や畜産物、植木などの直売所を合わせると、なんとその数は市内全域で約100か所! 生産者の多さ、作物のバリエーションの豊富さが成せる取り組みだ。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。