近年注目されている「関係人口」という、地域との新しい関わり方。 今回はその一つの方法として、食を通じた「お取り寄せ関係人口生活」を紹介する。比較的ハードルが低い方法なので、「地方に少し興味がある」という方でも始められる、はじめの一歩としておすすめしたい。
そもそも「関係人口」って?
「関係人口」とは、総務省・関係人口ポータルサイト(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.html)には、下記のように定義されています。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。
地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
近年、「関係人口」というワードや概念は少しずつ広まっていますが、解釈の幅がとても広い概念でもあります。
そもそも移動を伴う活動だけが「関係人口」なのか?
地方創生やまちおこしに関心がある人の中には、「関係人口として地域と関わるためには、地域に出向かないといけないのでは?」と思っている方もいるかもしれません。
もちろん現地に出向くことでできることもたくさんあります。しかし総務省が定義する「地域と多様に関わる」という点で言えば、関わりたいと思っている地域に住んでいなくても、移動を伴わない方法でも、地域と関わる方法はあるのではないかと思います。
いつでも「関係人口」は始められる
上述したとおり、「関係人口」は解釈の幅が広いワードですが、関係人口の現状について紹介したメディアも多数あります。
その中の一つに、ソトコト2020年4月号「新・関係人口入門」の特集「教えて小田切先生!国土交通省のアンケートから繙く、関係人口のイマ」があります。特集内では「関係人口」の分類について、主に4タイプ(趣味・消費型、参加・交流型、就労型、直接参与型)に分類されると紹介しています。
ちなみに、4タイプの中で「関係人口」全体に占める割合がもっとも多いのが趣味・消費型、とも紹介されています。地場産品の購入や趣味を楽しむこのタイプであれば、「地方に興味がある」「いつか地方に住んでみたい」「まずは気軽に関係人口になってみたい」と思っている人でも、コロナ禍で移動ができない今でも「関係人口生活」は始められるし、始めるまでのハードルも比較的低いと思います。
「お取り寄せ関係人口生活」
人が移動できない状況でもできる地域との関わり方はいろいろあると思いますが、今回はその一例として「お取り寄せ関係人口生活」を紹介したいと思います。
外出に対する不安が拭えない今、一番の楽しみは「食」という人が私の周辺でも増えているように感じています。また食事を作る回数が増えたことで、ストレスを感じ、負担となっている方も。
そんな日常生活で欠かせない「食」を楽しみながら、地方と関わる手段として、私は「お取り寄せ関係人口生活」を始めました。具体的には、関わりたいと思っている地域で生産・販売されている商品を取り寄せ、食べ比べをしたり、時には食事を作る負担を減らせるような商品(ご飯のお供や焼くだけ等、調理が簡単な商品)を購入したりしながら、楽しんでいます。
購入品の探し方
でも実際に「お取り寄せ関係人口生活」を始めたいと思った時、一番最初につまづいたポイントが「その地域のお取り寄せ情報がなかなか集めにくい」という点でした。関わりたい地域にあまり知り合いがいない場合は、インターネットで検索する方法しか思いつきませんでした。
そこで私は、ある2つの方法を試してみました。
1つは、SNSを活用する方法です。特にインスタグラムには、「#〇〇(地域名)お取り寄せ」や「#〇〇(地域名)エール飯」などのハッシュタグで検索すると、いろいろな方の投稿から各地域のお取り寄せ商品を知ることができました。逆に自分が購入したものを投稿することで、フォロワーさんから「こういう商品もあるよ」と教えてもらうことも、今後はあるかもしれないなと楽しみでもあります。
そしてもう1つは、ふるさと納税サイトから探す方法です。応援したい自治体に寄付をすることでお礼の品がもらえるふるさと納税は、紹介サイトにお礼の品として各地域の名産品が紹介されています。地域によって掲載数の差はありますが、検索エンジンで探すよりは、もっと地域に密着した商品が見つかりやすいなと感じました。
まずは今できることから
いきなり地方へ移住・定住となるとハードルが高く感じますが、「お取り寄せ関係人口生活」なら小さなステップから気軽に始められます。
移動ができるようになったらできることはその時までのお楽しみに取っておいて、まずは今できることから始めてみませんか?