古くから餅は厄除けや招福を願う行事に使われてきた。大阪府にある餅屋『餅匠しづく』のつくる餅や餅のお菓子も、「百薬の長を目指す」というコンセプトの下、食べるほどに心身が健やかになるようにという願いが込められている。
お餅には琵琶湖と田んぼの生態系を自然な状態に戻す農法を実践する、滋賀県高島市の『針江のんきぃファーム』の餅米を使用。餅米以外にもお菓子に使われる小豆や米粉、餅粉、砂糖、雑穀などの主要素材は自然農法・無農薬栽培のものに厳選している。さらに特筆すべきはすべての商品に使われている「水」。「独自の装置で水道水を浄化することで、水の分子を整え、人の体に最適化した水になるようデザインして使っています。食べて健康になるお餅や大福などのお餅のお菓子作りを目指しているだけに、餅米を洗う水にも気をつけています」と店主の石田嘉宏さん。新年には身体への祈りがこもったお餅を選び、心穏やかな一年にしていきたい。
きめが細かくコシがある餅をつくために、素早く強い圧力をかけることのできる埋め込み式の機械でつく。そんな杵と石臼でつくお餅は、お雑煮に入れても煮崩れしない。電話(072-422-6601)にて通年注文が可能。
へメンディンガー綾
へめんでぃんがー・あや●大阪府出身。国道42号線沿いを中心に発見した熊野地方の絶景・秘境を写真に収めたフォトガイドブック『ROUTE42 国道42号線をめぐる旅』(青幻舎)を上梓。そろそろ和歌山県への移住を準備中。
へめんでぃんがー・あや●大阪府出身。国道42号線沿いを中心に発見した熊野地方の絶景・秘境を写真に収めたフォトガイドブック『ROUTE42 国道42号線をめぐる旅』(青幻舎)を上梓。そろそろ和歌山県への移住を準備中。
photograph by Yousuke Hishikawa text by Aya Hemmendinger
記事は雑誌ソトコト2022年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。