『ドット道東』代表|中西拓郎さんが選ぶ「地域を編集する本」を紹介

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 北海道の右半分、「道東」と呼ばれるエリアに散らばるクリエイターを束ね、地域ブランディングやイベント企画を行う団体『ドット道東』。「雑誌の選書コーナーが大好き」と話す代表の中西拓郎さんが、「コミュニティ」をテーマに選んだ5冊とは?


中西拓郎さんが選んだ、地域を編集する本5冊


 
(左上から時計回りに)2.『遥かなる希望の島』/1.『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』/3.『新クリエイティブ資本論』/4.『ノンデザイナーズ・デザインブック』/5.『日本発酵紀行』

 点がつながる。道東の、新しい輪郭になる。これが『ドット道東』のスローガンです。道東はオホーツク、根室、釧路、十勝の4つのエリアで構成され、九州と同じくらいの面積がありながらも人口は約90万人。何かを始めるときにそれぞれのエリア内だけで賛同者を探すと見つけづらい状況にありましたが、道東という広域で見れば、同じ想いを持つ人が見つかるはず。点在する人と人をつないで情報を集約し、地域の価値を高められたらと、『ドット道東』を仲間とともに設立しました。 プロジェクトを進めるときに考えているのは、「どれだけ人を巻き込めるか」。昨年出版した道東のガイドブック『.doto』では、クラウドファンディングで製作資金とともにスタッフを募り、Twitterにハッシュタグをつけて投稿してもらった写真を増刷時のカバーに採用しました。どのプロジェクトも、地域のことを自分ごとと思える人を増やすきっかけづくりと捉えて取り組んでいます。 


 こうした考え方に共通する部分があるな、と感じているのが『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』。グレイトフル・デッドって、ライブ音源の録音とコピーを公認しているんです。ライブごとにアレンジを大きく変えているから、ファンは「このときヤバかったんだよ」と熱を持って周囲に広める。一人ひとりが自然とグレイトフル・デッドの広告塔になってくれるんですね。多くの人を巻き込みたいと思ったら、「俺たちイケてることをやってるぞ」と発信して人がついてくるのを待つんじゃなくて、人が関われる余地をつくることが大事なんだ、と学びました。


『遥かなる希望の島』は、北海道の元・副知事・磯田憲一さんのエッセイ。パンチラインだらけなのですが、やっぱり次の文章が一番かな。「若い人が土地を離れることを嘆くことも多いが、若者が旅に出たいと考えるのはごく自然なことだ。大事なのは、その若者が再び帰ってくる道と故郷をつくっていくことだ」。すごく感動しました。「若者が再び帰れる場所」になるためには、地域にコミュニティがあることが重要なのではないでしょうか。地元に帰りたいと思っている人、地域で新たな挑戦をしようとしている人に„伴走する"存在がいること、「それならこの人に相談するといいよ」と紹介できるネットワークがあること。『ドット道東』もそうありたいですし、ほかの地域にも通じる話だと思っています。


▶ 『ドット道東』代表|中西拓郎さんの選書 1~2
『ドット道東』代表|中西拓郎さんの選書 3~5

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