ローカルグッド、ソーシャルグッドな活動をそれぞれの形で楽しみながら行い、ワクワクする未来を想起させてくれるU30の皆さんを紹介。
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若い人たちと地域の人を 結ぶハブになれたら。
2018年に宮司をしていた父親が亡くなり、同年に東京・渋谷区神宮前にある穏田神社の宮司代務者に就任し、その後國學院大学神道学専攻科に通って、2020年4月より正式に3代目の宮司となった船田睦子さん。当時はコロナ禍で従来の行事を行うことができず、地域とのつながりがどんどん薄くなってしまったという。それを打開するため「来社のきっかけをつくろう」と、広報活動やコロナ禍でもできる催しを行い、新しいことにチャレンジしてきた。「地域」と聞いてもピンとこない若い世代がいる一方で、穏田神社の近隣には地域とのつながりを大切にしている店舗や人々がいることも知っている。「両方の気持ちが分かるからこそ、自分にできることを問い続けています」。そんな船田さんが新たに定めた穏田神社のミッションは「人を想う幸せが循環する中心地になる」、ビジョンは「人とつながり、心が磨かれる神社」。「そもそも神社の役割とは、地域と共に発展していくことです。時代に寄り添った『変わらない場所』を目指しています。そうは言っても、試行錯誤していますが(笑)。先代がやってきたように地域の方たちともっとつながりたいです。最近来社してくださった若い人たちと、以前からお付き合いのある地域のおじいさんやおばあさんたちを結ぶハブになれたら、と。この地域が少しでも発展する一助になれればいいなと思っています」。
穏田神社花火会
2021年から行っている夏の催し。夏の夜に境内で日本製の花火を楽しんでもらい、その様子をカメラマンが撮影して写真を渡す企画だ。「少しでも夏の思い出をつくれたらと企画しました」と船田さん。地域の人のほか、遠方から浴衣を着て参加する人も多い。予約制。
退治したい鬼、招き入れたい福を教えてください!
2022年の節分に初めて行い人気を博した企画。参拝者に、自分の心にいる退治したい鬼と、新年の目標や取り入れたい福を付箋に書いてもらい、鬼は鬼の口の中に、福はおたふくの中に貼ってもらって掲示した。それらに対して船田さんのコメントも添えた。
text by Miho Soga & Yoshino Kokubo
記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。