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連載 | 瀬戸内の古民家で子育てはじめました

2階建て農機具庫をフルリノベ!遊び心あふれる子供部屋に【瀬戸内の古民家で子育てはじめましたvol.10】

小林友紀

小林友紀

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2020年9月。当時1歳と0歳の子を連れ、東京から愛媛県の今治市へ移住した。今治は妻である私の生まれ故郷。つまりUターンである。昨年、築70年を超す古民家を自宅として購入、再生し、家族4人で暮らしている。そんなわが家の日常を通して、住むほどに味わい深く、子育て世代におすすめしたい古民家の魅力をお届けしたい。

目次

手つかずだった農機具庫、どう使う?

前回記した通り、母屋のリノベーションを終えてなお、手つかずの空間が存在していたわが家。
それがこの、増築によって母屋に接続された「農機具庫」である。
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農機具庫とはいえ、見た目はとてもそうは見えない。というのも、棟ごと増築されたこの倉庫は玄関を併せ持ち、掃き出し窓があるほか2階の腰窓にも庇がつくなど、立派な住居機能を与えられて建てられているからだ。

話によれば、売主さんがゆくゆく2世帯での生活を考慮して、居住空間にもなるように40年ほど前に増築したそうだ。ただ、結果としてはこのスペースはみかん農家であった売主さん自身の農機具庫となっていた。

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構造的に一体化した増築部分(向かって左側)。
農機具が置かれていたことから、もちろん中は土足空間となっていた。構造上母屋と接続されているとはいえ、内部では行き来できないように廊下は完全にトタンでふさがれており、空間としては完全に切り分けて使用されていたようだ。

2階もあったが階段はなく、荷揚げ用の滑車と、長い梯子がかかっていた。

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所狭しと積み上げられたみかん収穫用のキャリー。
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2階に天井はなく、木組がそのまま見えている状態だった。梯子を使用して上る。

必要な空間は母屋に集約、納屋は子ども部屋にフルリノベ

さて、この空間をどう使おうか。母屋から適度な距離があり、プライバシーが担保できる空間。そして十分な広さがある。

そこで思いついたのがプレイルームだった。

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荷物を撤去した状態。板の間に土壁の空間。
ゆくゆく子供たちが大きくなっても個室に仕切れるだけの広さがあり、母屋とも干渉しない適度な距離感が保てること。そしてこの野性味ある荒々しい空間なら、幼い子どもたちが暴れまわっても惜しくないと考えた結果だ。
何より、まだ3歳・4歳児のわが子たちには「子供部屋」という存在はすぐには必要ない。母屋の工事が終わってから、急がずゆっくり考えれる猶予があり、財布が痛むタイミングもずらすことができた。

というわけで、母屋のリノベが終了し入居してからプレイルーム化計画を実行に移すことに。子どもたちにエネルギーを存分に発揮していただけるよう、汚れたり破れたり削れたりしても修復しやすい素材を採り入れたいという想いから、半DIYで工事を依頼した。

大工さんのアドバイスも頂きつつ、ホームセンターで床材と壁紙を選択。母屋の漆喰壁の雰囲気とはあえて違う、楽しい空間を目指した。

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壁紙を貼っただけでも印象がまるで違う!
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はめ込み式のウッドフロアタイルは汚れにもつよい。
建物の構造がしっかりしていたので、一部分にはボルダリングウォールとうんていも取り付けていただいた。

ボルダリングエリアは床をカーペット敷きにしたいなと思っていたところ、これもDIYでフロアタイルカーペットを調達、敷き込むことで実現できた。

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そうして出来上がったのがこちらのプレイルームだ。
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もともと階段がなかった空間だったが、母屋で使われていたものを再利用。子どもたちが思いっきりはしゃぎまわれる空間が完成した。

実はこの元倉庫、外から出入りするための入り口が一カ所あり、そのため一部は土間として出入りできるスペースを確保した。

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右側の扉部分から出入り可能。
ただそうなると、そのスペースは当然土足。それ以外が屋内スペースとなるのだが、子どもたちは平気で素足なのに土間に降り、そして部屋にあがってくる。

耐えきれなくなった私たちは苦し紛れに人工芝をひいたのだが、これが思いのほか空間にフィット。

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いい感じにアウトドア感もある空間に仕上がった。そして竣工から1年が経った今の様子がこちら。
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芝生は彼らお手製のサッカーコートとなり、部屋は散らかり放題である。しかしここは母屋とは別棟の離れ。多少の散らかりは目をつぶれるのだ。(多少か?)

親にとっても子にとっても、精神衛生が保たれる貴重なプレイルームになっている。

さて、この元倉庫空間、1階はこのようなプレイルームになったが果たして2階はどうなったのか。
次回は農機具庫2階リノベ編をお届けしようと思う。

文・写真:小林 友紀(こばやし・ゆき)
大学卒業後、大手総合PR会社にて日用品メーカー・製薬会社・商業施設など幅広い広報業務の支援に従事。5年のPRキャリアを積み、2020年に愛媛県今治市にUターン。現在はフリーランスとして活動中。2児の母。大学在学中には、島根県美郷町の「地域おこし協力隊」を務めた。

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